法事・法要などの仏事でお坊さんに読経・供養をしてもらった際に、そのお礼・感謝の気持ちとして渡す金品を「お布施(おふせ)」と言います。金品つまりお金をそのまま裸で手渡しするのではなく「お布施袋」と言う袋に入れ、さらに「切手盆」というお盆に載せてお渡しするのが一般的なマナーです。
【お坊さんにお布施を渡している例↓】
今回はそうした「お布施袋」の、選び方やおすすめ10選を紹介します。
1、お布施袋が必要な仏事とは?
最初に、お布施袋が必要な仏事(法事・法要)についてみておきましょう。どのような仏事でも使えるお布施袋や、仏事の種類・地域・宗派によってお布施袋を使い分ける場合もあります。
なお、法要と法事の違いは、
法事=法要の後の食事会を含めた行事全体を指す
となります。ここではまとめて仏事と呼びます。
【さまざまな仏事でお布施を渡します↓】
お布施袋が必要になる仏事
●葬儀
通夜
告別式
火葬式
●忌日法要(中陰法要)
初七日~四十九日(本来は七日ごとに7回)
百か日
●年忌法要
一周忌
三回忌~五十回忌
●定期法要
初盆
毎年のお盆
お彼岸(個別法要)
お彼岸(合同法要)
祥月命日(毎年の命日)
月参り(毎月の命日)
●その他の法要・供養
納骨式
お墓の改葬、墓仕舞い
仏壇の魂入れ・魂抜き(開眼供養・閉眼供養)
位牌の魂入れ・魂抜き(開眼供養・閉眼供養)
人形供養・仏像供養(合同)
●お布施以外に別途かかる費用
お車料
お膳料
心付け
戒名料
以上、仏事の種類を踏まえたうえで、それぞれに適したお布施袋についてみていきましょう。
2、お布施袋はどんなものを使えばいいのか?
2-1、お布施の本来の目的とは?
お布施の一番の目的は、お坊さんへの感謝とお礼を伝えることです。また、実質お布施とは寺院への寄付金であり、檀家(だんか)さんが属する檀那(だんな)寺を経済的にサポートすることを意味します。
一方、仏教的には信者であるあなたが欲を差し出す「修行」のひとつとされています。修行のため財産を差し出して、我欲を捨てることがもともとのお布施の意味です。そのため、お布施は本来あまり形式にこだわった、仰々しく豪華な袋である必要はありません。
また、葬儀やお通夜などの弔事で遺族に渡す御香典や御仏前とは意味合いが違います。お布施は遺族に対するお悔やみの金品ではありません。したがって、原則的には水引のついた不祝儀袋を使わなくてもよいとされています。逆に簡易な袋を使用したからといって、お坊さんに対して失礼になることはほとんどありません。
ただ、現実には、仏事の種類や地域・宗派の違いなどにより、お布施袋にもいろいろなタイプのものが使用されています。お布施袋のタイプや中袋の有無などによって、若干書き方も違ってきます。以下ではそのお布施袋の4つのタイプについてみていきます。
【お布施袋のいろいろなタイプ↓】
2-2、お布施袋の4つの種類
お坊さんにお渡しするお布施袋には大きく以下の4つのタイプがあります。それぞれ地域や宗派また、仏事の種類によって使われ方が違います。あなたの状況に適したお布施のタイプを選びます。ただ、どんな仏事でも共通して使えるお布施袋もあるので、あまり神経質になる必要はありません。
タイプ1:水引なしの無地に「御布施」と書かれたお布施袋
タイプ1のお布施袋は、水引が付いておらず「御布施」と印刷された市販の袋です。または、無地の封筒に自分で「御布施」と墨で書いてもかまいません。いずれも水引はなしです。このタイプはどのような仏事でも使える万能お布施袋です。どんなお布施袋がよいか迷ったらこのタイプ1を選べば問題ありません。
安価な単純封筒タイプのものと、少し高級感があって見栄えのする、折って使用する多当折りタイプ(中袋付き)のものがあります。多当折りタイプの中にも、無地のものと装飾柄付きのものがあります。
【水引なしのお布施袋の例①(単純封筒タイプ)↓】
【水引なしのお布施袋の例②(無地、多当折りタイプ、中袋付き)↓】
【水引なしのお布施袋の例③(装飾柄入り、多当折りタイプ、中袋付き)↓】
単純封筒タイプのお布施袋は、数千円から1~2万円程度までを包む場合に適しています。また、多当折りタイプのお布施袋は、3万円~10万円以上を包む場合に適しています。無地より装飾柄付きのほうが少し高級感があります。
こうしたタイプ1のお布施袋は、宗派を問わずあらゆる仏事で使えますので最も無難です。私はいつもこのタイプ1のお布施袋を使っています。アマゾンや楽天で注文すれば翌日届くので便利です。
ただ、地域によってはあるいは宗派によっては、水引のついた不祝儀袋を使う場合もあり、次に解説します。
タイプ2:黒白の水引がついた不祝儀袋
黒白の水引がついた不祝儀袋は、一般的には通夜・葬儀での香典や、その後の仏事での遺族への御仏前を包む際に用います。また、地域によっては次の写真のように、お布施を包む際に用いられることがあります。
【黒白の水引がついたお布施袋の例↓】
ただ、お布施袋として使う場合は四十九日までの場合(いわゆる弔事)が多く、それ以降の仏事には、タイプ1の【水引なしの無地封筒に「御布施」と書かれたお布施袋】を使うほうが無難でしょう。
あなたが檀家さんであれば、檀那寺のお坊さんに一度確認してみると安心です。檀家さんでない場合は、タイプ1のお布施袋で問題ありません。
タイプ3:黃白の水引がついた不祝儀袋
黃白の水引がついた不祝儀袋は主に関西地方で用いられます。一周忌以降の仏事で、遺族に渡す御仏前を包む場合や、お坊さんに渡すお布施袋として用いられることが多いです。
【黄白の水引がついたお布施袋の例↓】
ただ、こうした黄白の水引がついた袋を使用するのは一周忌からで、四十九日までは黒白の不祝儀袋を使用するのが一般的です。
したがって関西エリアでお坊さんにお布施を渡す際は、
・一周忌以降の仏事⇒黄白のお布施袋
・すべての仏事に共通⇒水引なしの無地封筒に「御布施」と書かれたお布施袋
がよいでしょう。私の実家は大阪なので、かつて法事の時はこうした黄白のお布施袋を使っていた記憶がありますが、現在では水引なしの袋を使用しています。
宗派により違いがあり心配な人は、檀那寺のお坊さんや実際にお布施を渡す予定のお坊さんに一度確認してみるのが確実です。
お坊さんに聞けなかったり、どうしたらよいか迷ったりしたら、タイプ1の水引なしのお布施袋を選んでおけば無難です。
タイプ4:双銀の水引がついた不祝儀袋
双銀(銀色×銀色)の水引がついた不祝儀袋は、黒白の水引の袋と同じように、一般的には通夜・葬儀での香典や、その後の仏事での遺族に渡す御仏前を包む際に用います。地域により、お坊さんに渡すお布施や戒名料を包む際にも用いられることがあります。
【双銀の水引がついたお布施袋の例↓】
黒白の袋との主な違いは、双銀の袋は比較的包む金額が多い場合(5万円~数十万円)に用いられることが多いです。寺院の格式が高くお布施金額も相当料を要求される場合などは、このタイプ4の双銀の水引がついたお布施袋を使用する例が多いです。
金額がそれほど高額でない場合(5万円以下)は、先述のタイプ1~3を使用します。
なお、浄土真宗の一部では、仏壇を買ったときの入仏供養と、お墓を作った時の供養で使用するお布施袋には、紅白の水引のついたお布施袋を渡す場合もあります。浄土真宗の人は、そうした法要の際、一度菩提寺に確認してみることをお勧めします。
宗派がわからなかったり、どうしたらいいかわからなかったりするときは、とりあえずタイプ1の、水引なしの無地封筒に「御布施」と書かれたお布施袋を選んでおけば無難でしょう。
次に、お布施袋のおすすめ10選を紹介します。
3、お布施袋のおすすめ10選
「お布施袋はどこに売ってるの?」
「お布施袋はどこで買えばいいの?」
という質問が意外と多いのですが、アマゾンや楽天などですぐに注文出来て、翌日届けてもらうこともできます。また大きな文具店などでも購入できます。
以下ではお布施袋のおすすめ10選を紹介します。
1、マルアイ 仏のし袋 新本折多当 御布施 10枚 Pノ-865×10P
タイプ1の多当折りお布施袋です。仏式の葬儀、法要、開眼供養などの僧侶への謝礼のお金を包む折りたたんで包むお布施袋です。地紋風の柄がちょっと高級感があっておしゃれです。
「御布施」の文字が墨色で印刷されており、お金を入れる中袋もついています。宗教問わず利用でき、どんなお布施袋が良いか迷ったらとりあえずこれがおすすめです。
【サイズ】100x180mm
【枚数】10枚セット(1枚パック入×10パック)
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2、赤城 不祝儀袋 多当 御布施 10枚入り タ983067
タイプ1のお布施袋です。仏事で金品を包む際に使用する不祝儀袋で、「御布施」の表書きがあります。通夜・告別式・法要など仏事全般でお世話になった僧侶へ金品を包む際に使用するお布施袋です。
封筒タイプではなく紙を折りたたんだ多当折りです。
紙質は高級感のある奉書紙で小菊模様のシルク印刷入り。白無地の中袋付。5万円を超えるやや金額が多めの場合のお布施袋に向いています。
【サイズ】約100x180mm
【枚数】5枚セット
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3、マルアイ 万円袋 縁のかたち 御布施 2枚入x10パック ノ-ユカ665x10P
タイプ1のお布施袋です。淡い緑の霞模様が上品な、葬儀、法要・開眼の際の僧侶の謝礼にご利用頂ける封筒タイプの万円袋です。左端に結び目があってお洒落です。ちょっと変わったお布施袋を探している人にはお勧めです。
【サイズ】90x175mm
【枚数】20枚セット(2枚入×10パック)
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4、天一堂 祝儀袋 T.I.D 新札型 御布施たとう 黒白3枚パック AM-693-3P
タイプ2の黒白の水引がついたお布施袋です。メーカーの天一堂はスリムタイプの新札型金封を始めて開発した会社です。奉書を使用した御布施金封で、御寺様への謝礼全般に利用できます。中袋付き。
【サイズ】95x180mm
【枚数】3枚セット
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5、天一堂 祝儀袋 T.I.D 新札型 御布施たとう 3枚パック AM-667-3P
タイプ3の黄白の水引のついたお布施袋です。主に関西地方で一周忌以降の仏事でのお布施袋として使われています。黄白の水引タイプとしては最もスタンダードなお布施袋になります。中袋付き。
【サイズ】95x180mm
【枚数】3枚セット
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6、赤城 不祝儀袋 金封 御布施 本式多当 5枚セット タ981865
タイプ4の双銀水引の簡略版お布施袋になります。水引は印刷されており白無地の中袋付です。紙質は奉書紙で小菊模様のシルク印刷入り。単純封筒タイプではなく紙を折りたたんで使う多当折りです。本格双銀タイプではないので数千円からでも使用可。
【サイズ】約100x180mm
【枚数】5枚セット
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7、大直 紙幣包み 00701 御布施 多当折り
タイプ1のお布施袋の中でも最もシンプルなものになります。単純封筒タイプではなく紙を折りたたんで使う多当折りです。高級感のある紙質でお坊さんにも失礼のないお布施袋です。中袋付き。「御布施」の文字はシルクスクリーン印刷です。
【サイズ】約103x180mm
【枚数】1枚
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8、マルアイ 不祝儀袋 総銀10本 御布施 20枚入 キ-SE32×20P
タイプ4の本格的な双銀(銀色×銀色)の水引がついたお布施袋です。単純封筒タイプではなく紙を折りたたんで使う多当折りです。中袋付きで住所氏名欄があります。双銀タイプを探している人にはお勧めです。
【サイズ】105×185mm
【枚数】20枚
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9、マルアイ 仏新本折多当 665 御布施 10枚 Pノ-665×10P
タイプ1のお布施袋です。薄い緑色が優しく上品な印象を与えます。「御布施」の文字が墨色で印刷されています。単純封筒タイプではなく紙を折りたたんで使う多当折りです。中袋付きで住所氏名欄があります。
【サイズ】100x180mm
【枚数】10枚(1枚パック入×10パック)
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10、和紙かわ澄 和紙 手書き金封 奉書紙 純白 御布施 御車代 御膳料 3種各5枚 合計15枚入
タイプ1のお布施袋で、お布施袋のほかに御車代と御膳料の袋が3枚セットになっています。封筒タイプで、紙幣を挟んで使う中包み付きです。高品質で美しい奉書紙の和紙金封です。
墨文字はメーカー専属の書家により一枚一枚手書きしているそうです。3枚セットを探している人にはおすすめです。
【サイズ】90x170mm
【枚数】3種類各5枚合計15枚入
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