▶目次
はじめに:遺影写真を処分する3つの方法
1、そもそも遺影写真とは何か?
1-1、遺影写真の始まり
1-2、遺影写真を処分する人の主な理由とは?
2、方法その1:供養してお焚き上げ
2-1、手順1:遺影から魂・お性根を抜く
2-2、手順2:遺影写真をお焚き上げする
3、方法その2:自分で廃棄する
4、方法その3:メモリアルとして保管する
5、あなたに最適な遺影写真の処分方法とは?
6、まとめ
はじめに:遺影写真を処分する3つの方法
「仏壇の上や中にまつってある遺影写真をどうやって整理処分したらよいか?」ということは、多くの人が悩みます。特に、仏壇の面倒が見られなくなって処分をする場合などに多いです。
また、遺品の整理をしていたら、「押入れからご先祖様の遺影写真が出てきた」などということもあります。
【遺影写真の供養例↓】
両親や祖父母の遺影ならそのまま手元に置いておくという選択肢もあります。ただ、顔も知らないご先祖様の遺影写真を持っていても、飾るところもありません。とはいえ、そのままゴミに出して処分するのも気が引けます。心の整理ができかつ、けじめをつけることのできるやり方があれば最適です。
ただ、あまり神経質になる必要はありません。遺影写真の整理・処分方法には、大きく以下の3通りの方法があります。
方法その2:自分で廃棄する
方法その3:メモリアルとして保管する
今回は、「遺影写真を整理・処分する3つの方法」について解説します。
▶動画(9分25秒)で見たい方はコチラ↓(記事で読みたい方はこの動画の下です)
1、そもそも遺影写真とは何か?
1-1、遺影写真の始まり
遺影写真を処分するにあたり、「そもそも遺影とは何か?」を知っておくことは大切です。普通のスナップ写真とどう違うのか?また、仏壇の周りに飾ってあるのだから、仏具と同じように仏教に関係するものなのでしょうか?
お釈迦様が悟りを開いて仏教がスタートした紀元前5世紀ころ、当時はもちろん「カメラ」や「写真」という技術はありませんでした。したがって遺影写真は、もともと仏教の教えや本質とは関係のないものです。
実は、葬儀社さんが葬儀の演出の一つとして始めたのが、遺影写真の始まりだといわれています。
【遺影写真の例↓】
ただ現在では、遺影写真は位牌やご本尊仏像と同じような感覚で故人を忍び、多くの方が手を合わせ、日々ご供養の対象としてまつられるものになっています。すなわち、遺影写真には個人の魂(霊)が宿っていると考えるようになったのです。
したがって、遺影写真を処分する際には、位牌などと同じように、魂やお性根を抜く閉眼(へいがん)供養を行うことが良いとされており、これが一つの心のけじめとなるでしょう。故人の魂が宿ったまま、何の供養もせず、遺影写真を捨てたり廃棄処分することは、やはり心苦しいものです。
1-2、遺影写真を処分する人の主な理由とは?
遺影写真を処分する人の主な理由は以下の様なものです。
2、遺品整理中に遺影写真が見つかり、どうしたらいいか困っている
3、仏壇を持たない代わりに位牌と遺影写真を供養してきたが、そろそろ整理をしたい
4、親せきから故人の遺影写真の整理を頼まれた
5、成年後見人をしているが、被後見人から遺影写真の処分を依頼された
6、故人のスナップ写真やアルバムをどうしたらいいか悩んでいる
などです。こうした事情は意外と多いのが現実です。
【遺品整理中に遺影写真が出てくることもある↓】
写真に写っている両親・祖父母や、会ったことはないけどもご先祖様の顔がこちらを見ていると思うと、「粗末に扱ったら、罰が当たりそうでちょっと心苦しい」と感じる人も多いのではないでしょうか?
故人への感謝の気持ちを表す意味でも、遺影写真の魂やお性根を抜く供養は、ぜひ済ませておきたい儀式の一つです。以下では、遺影写真の3通りの処分方法である、
方法その2:自分で廃棄する
方法その3:メモリアルとして保管する
について具体的に解説します。
2、方法その1:供養してお焚き上げ
方法その1「供養してお焚き上げ」の手順は、
手順2:遺影写真をお焚き上げする
という流れになります。
2-1、手順1:遺影から魂・お性根を抜く
まず、遺影写真から魂・お性根を抜きます。「魂を抜く」という儀式を、魂抜き(たましいぬき)または、お性根抜き(おしょうねぬき)、もしくは閉眼供養(へいがんくよう)など呼びます(宗派により呼び方が変わることもあります)。
ご先祖様の魂が遺影写真に宿ったまま処分してしまわないよう、魂・お性根をを抜くことにより、遺影を単なる写真に戻します。
魂抜きやお性根抜きの供養は、お坊さんに依頼します。通常は、遺影写真だけを単独で処分することはほとんどありません。多くの場合、仏壇や位牌とともに魂抜き供養をする場合が多いです。
【遺影写真の供養例2↓】
あなたがどこかの寺院の檀家(だんか)さんである場合は、直接その寺院のお坊さんに魂抜き・お性根抜き供養をお願いしてください。
檀家とは、お布施や寄付で寺院を支える会員のような存在です。一般に、檀家さん以外にはお坊さんは読経をしてくれません。つまり、「一見さんお断り」という寺院も多いのが現実です。
檀家離れが進んでいる近年では、寺院やお坊さんとお付き合いのない方も多いです。そうした場合には「お坊さん紹介・手配サービス」を利用して、一回ポッキリでも来てもらえるお坊さんを探し、魂抜き・お性根抜きの依頼をしてください。
一般に、こうした魂抜き・お性根抜きの閉眼供養をお坊さんに依頼した場合、お布施の費用相場は、1~5万円程度です。「お坊さん紹介・手配サービス」に依頼した場合は、お車料など全て込みで3.5万円程度が相場です。
【お坊さんにお布施を渡している例↓】
お坊さんに来てもらいたくない場合や見つからない場合は、遺影写真を宅配便で送付して供養してもらえる、「供養じまい専門業者」に依頼するという簡易で経済的な方法もあります。次の手順2で詳しく解説します。
【供養じまい業者による遺影写真の供養例↓】
お坊さんに遺影の魂抜き・お性根抜きを行なってもらった後は、お焚き上げをします。
2-2、手順2:遺影写真をお焚き上げする
魂抜き・お性根抜きを済ませた遺影写真は、「単なる顔写真」「ただの写真」になっています。そのため、燃えるゴミとして処分しても法的にはなんら問題はありません。
ただ、ご先祖様や祖父母・両親の顔が写っている写真を、そのまま他の一般のゴミと一緒に捨ててしまうのは心が痛みます。そのため、お焚き上げ(おたきあげ)などの焼却処分をするのが一般的です。
お焚きあげは、魂抜き・お性根抜きをお願いした寺院に相談するか、近くの寺院のお焚き上げ日などに持っていかれてもよいでしょう。可能な場合は自ら庭などで焼却してもオッケーです。
【遺影写真お焚き上げの例↓】
また、「供養じまい専門業者」に遺影写真を送付して、魂抜き供養~お焚き上げ処分してもらう方法があります。
これは、供養対象物である遺影写真を、宅配便などで送付して、魂抜き供養をしてもらった後、お焚き上げ処分まで一式を行ってもらう方法です。したがって、手順1のお坊さんを呼ぶ必要がないので、わずらわしさがあまりありません。位牌や過去帳なども同時依頼でき、お坊さんを呼ぶより安価で済みます。
【位牌の宅配便送付例1↓】
【位牌の宅配便送付例2↓】
こうした全国送付対応の「供養じまい専門業者」に依頼した場合の費用相場は、遺影写真一枚あたり5,000円~です。
遺影の供養じまい専門業者はコチラ⇒https://reset-soul.com/ihai/
次に、供養はせずに「自分で廃棄する」方法です。
3、方法その2:自分で廃棄する
遺影写真に対して思い入れやこだわりがない人は、何もせずそのまま燃えるごみとして廃棄しても法律上はなんら問題ありません。仏教徒ではない人や、心霊的なことは信じていない人、あるいは、写真に写っている人に対し特に親近感がない場合などです。
【燃えるゴミに出して自分で廃棄する↓】
ただ、家族や親類などの同意を得ずに自分一人の判断でやってしまうと、のちのちトラブルになることがあります。もし、親類一同集まっての供養などをせず、そのまま廃棄処分してしまう場合は、同意を得たうえで行いましょう。
また、一旦処分してしまうと、遺影写真そのものは再現できません。したがって、処分前にデジカメ・写メなどで撮影し保存しておくと、何かあった場合にあとで確認することができます。
次に、方法3の「メモリアルとして保管する」方法です。
4、方法その3:メモリアルとして保管する
父母の顔が写っている遺影写真を、思い出として手元に置いておきたいという人もいます。仏壇とがあった時のように一緒に供養を続けるわけではないけど、かといって処分もしたくないという場合です。
このように引き続き供養はしないが保管はしておきたい場合は、とりあえず魂抜き・お性根抜きを済ませておきましょう。そうすれば、遺影写真は単なる写真と同じ扱いができ、机の引き出しや本棚に保管しておくことができます。
5、あなたに最適な遺影写真の処分方法とは?
以上のように、遺影写真を整理や処分する方法には主に3つのやり方があります。どの方法を選ぶべきかはあなたの置かれている環境や条件にもよります。
▶少しでも思い入れがあったり、きちんと供養して仕舞いをして心のけじめをつけたかったりするなら、方法1の「供養してお焚き上げ」が良いでしょう。費用が掛かるというデメリットはありますが、安心して心の整理ができるというメリットがあります。迷った場合はこの方法がおすすめです。できれば位牌や過去帳などと一緒にご供養できれば良いです。
▶また、供養は続けられないが手放したくない場合は、方法3の「メモリアルとして保管する」が良いでしょう。特に両親が写っている遺影写真を処分したくない人は一定数います。
最大のメリットは手元においておける安心感ですが、いずれ誰かが処分しなければならないというデメリットもあります。子供さんが引き継ぐ場合は迷惑をかけることになるからです。
▶遺影写真に対して何の思い入れもなく、ただの写真としてしか感じないという人は、方法2の「自分で廃棄する」やり方が、まったく費用がかからないので経済的です。
【位牌や過去帳などと同時供養↓】
6、まとめ
以上、「遺影写真を整理・処分する3つの方法」について解説しました。いずれにしても、一旦処分してしまうと、遺影写真の原本そのものは二度と手元に戻りません。デジタルデータとして残しておけば再現や復元ができるので、カメラで撮影しておくと安心です。
最後に、遺影写真を処分する場合、のちのちトラブルが起きないよう、家族や親族または関係者と充分な話し合いをして、みなさん了承の上で進めることが大切です。
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