私は10年以上前から、「老人ホームの利用者さんと、生演奏で一緒に歌ってもらえるようなボランティア活動ができたらいいな」と漠然と考えていました。ただ現実には、いざそうした活動を始めるにはどうしたらよいかわかりませんでした。
【みんなで歌おうボランティア活動↓】
直接、老人ホームに飛び込みでお願いしに行くというのは、「なんだか危ないやつが来た」と思われるかもしれません。あまり信用されないでしょう。高齢者を預かっている施設という性格上、やはり信用してもらえないと中に入れてもらえないからです。
実際に老人ホームなどの施設でボランティアをするには、大きく以下の3通りのきっかけ作りの方法があります。
方法2:すでにボランティア活動をしている人に紹介してもらう
方法3:親族に施設利用者がいる場合、担当スタッフに相談する
私たちはすべての方法を試してみましたが、特にトラブルもなくオッケーでした。施設側としても、私たちのような音楽ボランティアにはできるだけ来てほしいという現状もあるからです。
以下では、それぞれの方法のメリット・デメリットを解説します。
方法1:各市町村の「社会福祉協議会」にボランティア登録をする
各市区町村には「社会福祉協議会」という社会福祉法人があります。社会福祉協議会は営利を目的としない民間組織です(役所ではありません)。各都道府県・市区町村にあります。
最寄りの社会福祉協議会にあるボランティア窓口で、老人ホームやデイケアサービスでボランティア活動をしたい旨を伝え相談してください。ボランティアの登録手続きをすれば、仲介や紹介をしてもらえるチャンスが増えます。
私達のグループでは、登録をしたら1ヶ月ほどで2件のデイケアセンターからのボランティア依頼がありました。地域にもよると思いますが、それなりに依頼はあるようです。
この方法1のメリットは、信頼されやすいことやボランティ保険に加入できることです。またデメリットは、手続き・申し込みをしないといけないこと、さらに老人ホームなどの施設側に仲介料が発生することです。(私たちが伺った施設では、社会福祉協議会への支払いが1回500円ということでした)
以下に社会福祉協議会関連のリンク先を載せておきます。
全国各地のボランティア活動相談窓口
ボランティアの始め方ページ
「初めてのボランティア」パンフレット(PDF)
また、ボランティア活動中の事故や損害などに対する保険もあります。ただし、この保険は社会福祉協議会への「登録」などの手続きが前提です。
ボランティア保険とは?⇒http://www.osakafusyakyo.or.jp/hoken/volunteer/index.html
ボランティア保険の詳細⇒http://www.osakafusyakyo.or.jp/hoken/volunteer/pdf/2019_01.pdf
次に方法2です。
方法2:すでにボランティア活動をしている人に紹介してもらう
老人ホームやデイケア施設ですでにボランティア活動をしている人たちがいます。みんなで歌おうという活動ばかりではなく、楽器の演奏や歌の披露、音楽に合わせた体操、また清掃や介護雑務など様々な活動を多くの方がされています。
【いろいろなボランティア活動がある】
そういった方たちは施設との信頼関係がすでにできていることも多く、紹介をしてもらえたらほとんどの場合、オッケーしてもらえます。
あなたがそうしたボランティア活動をしている人を知っていればお願いしてみましょう。最初は付きそいで、お手伝いや見学などをさせてもらってもよいでしょう。また、ボランティア活動をしている人を直接知らない場合は、出会えそうな場所などに顔を出したり参加したりするのも一案です。
例えば、近所の音楽教室(ギター、ピアノ、ボーカルなど)に入ってみるのも良いきっかけになるでしょう。こうした音楽教室にはたいていボランティア活動をしている人たちがいるからです。
この方法2のメリットは、話が早いこと・信用してもらえることです。デメリットは、紹介者の顔を潰せないことや、リピート依頼を断りにくいことです。施設やそこのスタッフとの相性もあったり、施設の対応マナーが悪かったりで、2度と行きたくないところもあるので慎重に進めましょう。
方法3:親族に施設利用者がいる場合、担当スタッフに相談する
私が初めて「みんなで歌おう」ボランティアに伺ったきっかけはこの方法3です。一緒に活動していたN君の親族が特養ホームに入っていたので、直接そこの担当スタッフにお願いしました。そうしたら「ぜひお願いします」ということになったのです。
【老人ホームに親族が入居していれば話しやすい】
自分の施設の利用者さんの親族から頼まれたら断れない、ということもあったでしょう。ただ、施設側もこうした音楽ボランティアに来てほしいと思っているという事情もあります。施設としては、利用者さんに楽しんでもらったり、利用者さんの家族にいろいろなイベントの報告をしたりすることが、その施設の宣伝になったり、良い評判にもつながるからです。
この方法3のメリットは、方法2と同じく話が早いこと・信用してもらえることです。デメリットは、親族の前で活動するのでちょっとやりにくいかもしれません。また、リピート依頼は、親族が利用している間は原則断れません。
まとめ
以上「老人ホームで音楽ボランティア活動をする3つのきっかけ作り」について私の経験を述べました。まとめますと、
方法2:すでにボランティア活動をしている人に紹介してもらう
方法3:親族に施設利用者がいる場合、担当スタッフに相談する
になります。まずはあなたがやりやすい方法から試してみればよいでしょう。初めていく施設は緊張もしますが、終わった後に皆さんの喜ぶ顔を見れば「やってよかった!」ときっと思うことでしょう。