「供養じまいビジネス」とは、面倒を見られなくなったり、継承できなくなったりした仏壇・位牌・遺影・遺骨・仏像・地蔵などを、お客様に代わって魂抜き供養の儀式や引取り処分をする代行ビジネスの総称です。
この10年の間に問い合わせや依頼がだんだんと増えてきています。2008年にこのサービスを始めた当初は、月にわずか1~2件しか受注はありませんでした。しかし、現在(2019年4月)ではその約30倍の、月間61件(仏壇・位牌など計178点相当)の実績が得られるまでに、ニーズが急増しています。
この「ご供養じまいビジネス」開業・起業講座では、こうしたビジネスで開業・起業したい人向けにゼロからでもスタートできるノウハウを解説していきます。
第1回目は、「ご供養じまいビジネス」とは何か?について解説します。
【依頼があった仏壇・位牌などを供養しているところ↓】
▶目次
1、ご供養じまいビジネスの概要
2、ご供養じまいビジネスの需要が増えている背景
3、このビジネスに向いている人・有利な人
4、「ご供養じまいビジネス開業・起業講座」の構成
1、ご供養じまいビジネスの概要
ご供養じまいビジネスとは、ニッポンの超高齢・多死社会化と核家族化および宗教離れなどの理由により、残された仏壇や位牌などを引き取って面倒を見たり、継承したりすることができない方々のための供養サービスです。
お坊さんによる、魂抜き・お性根抜き等のご供養を代行して、引き取り~最終処分まで行う一連のビジネスです。ここ2~3年(2017~2019年)で急激に需要が増えてきています。
また、町内会で面倒を見られなくなったお地蔵さまの仕舞いや、お墓を建てない・持たない方・遺骨の継承をできない方のための、納骨じまいや墓じまいなどの需要も増加してきています。
【お地蔵様のご供養整理の例↓】
さらに、仏壇・位牌などの整理とセットでニーズが多い遺品整理なども含め、これらを総合して「ご供養じまいビジネス」と呼んでいます。(「供養じまい」はリセット社の登録商標です)
この開業・起業講座では、主に「仏壇の供養・処分サービス」を中心に、解説していきます。
2、ご供養じまいビジネスの需要が増えている背景
ご供養じまいサービスへのお客様のご依頼事情・理由は多岐にわたりますが、そもそも根底にある主な背景社会要因は以下の3点です。
1、普段お寺様との付き合いがない人が多く、いざ仏壇や位牌が不要となっても、魂抜き・お性根抜きなどの閉眼供養(へいがんくよう)を頼めるところを知らない。寺院との檀家関係が煩わしい。
2、檀家の人は、お寺様に魂抜きご供養は頼めるが、仏壇の回収処分まではしてくれない。
3、仏壇・位牌などを何の供養もせずにそのままゴミとして捨てられない。
このように、超高齢社会化により、「仏壇や位牌の面倒が見られずに供養処分したいが、どうしたらよいかわからず困っている方々」からのご依頼は増える一方です。
2008年5月の本ビジネススタート当初は、月にわずか仏壇1台しか供養依頼実績がありませんでした。また、その1年後の2009年4月においても月に2件(仏壇2台、位牌1柱の計3点)でした。
ところが、2019年4月実績では、61件(仏壇・位牌など計178点)のご供養依頼を受けるまでにニーズが増えています。
仏壇や位牌以外にも、遺影写真、過去帳、仏像、地蔵、神棚などのご供養依頼や、遺骨の納骨なども依頼されるようになりました。
【墓じまいの後の合祀納骨墓の例↓】
この講座では、ゼロから「ご供養じまいビジネス」をスタートしたい方のために、その準備や運営ノウハウを、何回かに分けて解説していきます。
3、このビジネスに向いている人・有利な人
まず、このビジネスに向いている人または、有利な人は次のような方々です。
▶このビジネスに向いている人
1)高齢者向けの社会貢献ビジネスをしたい方
とても感謝されるやりがいのある仕事です。
2)この業界は未経験だがビジネス・集客経験のある方
特にネット集客の経験やスキルがあれば、取り組みやすいです。
3)新規ビジネスを探しているゼロから始めたい方
中途半端な業界知識があるより、まったく未経験のほうが向いています。
▶このビジネスに有利な人
1)関連ビジネスをしている方(遺品整理・部屋かたずけ・産廃業・寺院など)
仏壇整理で伺った先の半分以上が、遺品整理・部屋の片づけなどでお困りのため、そのような関連サービスをとても依頼されやすいです。
2)現場スタッフ・資機材など環境が整っている方(建設業・不動産業・リフォーム業)
仏壇整理で伺った先で、土地家屋の売買・解体・リフォームなどでお困りの場合が多くあり、相談先を探しておられます。
【遺品整理・片付けを依頼されやすい↓】
以上が、このビジネスに向いている人または、有利な人のタイプです。私自身も全くの素人から始めています。特に、仏教などの宗教知識はゼロでしたが、ある程度の経験と学習をすればそれほど難しいことはありません。お坊さんになるわけではなく、あくまで代行ビジネスをするわけですから。
さて、2019年ころから競合他社の参入も増えてきています。ご供養じまいビジネスの需要は、約20年後の日本の死亡者数のピーク時までは、増加していくことはほぼ間違いないと考えられます。
現在すでに、高齢社会対策ビジネスに携わっておられる方々は新規事業として、あるいは本業のフロントエンドサービスとして取組まれるのもひとつの選択肢です。例えば、仏壇整理のお宅に伺うと50%以上の確率で遺品整理に困っておられます。
また実際にこのビジネスに接するとわかる、次世代の高齢社会対策ビジネスのヒントが現場にはたくさん転がっているのも現実で、そこから新しいビジネスのヒントを発見していただくことも本講座の目的の一つです。
【新規ビジネスの位牌送付供養サービス↓】
4、「ご供養じまいビジネス開業・起業講座」の構成
本講座は以下の流れに従って順次記事をアップ解説していく予定です。
1:ご供養じまいビジネスとは何か?
2:ご供養じまいビジネスの現状と可能性
3:ご供養じまいビジネスの取り扱いサービス
4:お客様のご依頼事情と受注パターン
5:ご供養じまいビジネスに関する許認可
6:ご供養じまいビジネスモデルの流れ
7:ご供養じまいビジネス開始のための準備
8:ご供養じまいビジネスの集客方法
9:ご供養じまいビジネスの問合わせ対応
10:ご供養じまいビジネスの見積もり方法
11:ご供養じまいビジネスの現場作業
12:ご供養じまいビジネスの将来性
次回は【第2回目:ご供養じまいビジネスの現状と可能性】についてです。
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