ご供養じまいアドバイザーの藤井です。前回のご供養じまいビジネス開業・起業講座第7回目では、「ご供養じまいビジネス開始のための準備(パート1)」について解説しました。第8回目は、「ご供養じまいビジネス開始のための準備(パート2)」について解説します。
なお、今回のパート2は「実務書類」「提携先、協力業者」「事務所及び備品類」「業界関連特殊知識の習得」についてそれぞれ解説します。
【実務書類(納骨関係)の例↓】
1、実務書類の準備
まず「供養じまいビジネス」で実務上必要となる書類や制作物の内、主要なものについて説明します。
1、仏壇整理問い合わせ表(表中No.1)
電話での問い合わせ時に、その場でスグに見積もりをするためのチェックシートです。すぐに金額を提示することによって、受注率が大きく上がります。
2、ご供養等ご依頼書(兼承諾書)(表中No.4、5)
お客様に氏名・住所・ご依頼内容などをご記入頂く書類です。出張回収時用と、送付時用の2種類があります。後々のトラブルやリスク回避のための「仏壇搬出後の取り扱い保証に関する」書類も兼用しています。
【問い合わせ表、依頼書、貼付け用紙の例↓】
3、ご供養対象物貼付け用紙(表中No.6)
仏壇などのご供養対象物に貼付する書類です。いつ誰から預かった供養品かわかるようにしておくものです。連番管理(完了報告書と連動)できるようにしています。また、写真報告などにも役に立ちます。
4、ご供養対象物お預かり書&返却通知書(表中No.7)
ご供養対象物を回収時にお預かり証明を希望される場合と、ご供養後に返却希望をされる場合に必要な書類です。位牌などは魂抜き後に返却を希望される方もおられるからです。
5、ご供養予定日のお知らせ(表中No.8)
仏壇を出張回収する場合は、現地で直接ご供養予定日を告げてお知らせします。ただ、供養品を送付されてきたお客様に対して、次回ご供養日の予定をお知らせするためにこの書類を使用します。受け取り連絡も兼用します。
なお、ホームページの問い合わせメールフォームからお申し込みいただいたお客様には、メールにて次回ご供養日の予定をお知らせします。
【お知らせ、完了報告、供養証明書の例↓】
6、ご供養等完了報告書(表中No.10)
仏壇、位牌、遺影、過去帳、仏像、地蔵などの定期供養や、神棚、御神札などのご奉納が終了したときに、報告を行う書類です。ご供養写真をご希望のお客様には、写真付き報告書を送付します。また、ご供養等証明書(表中No.9)もご希望の方には、必ず同封します。
7、ご供養問い合わせ数日報(表中No.11)
毎日の問い合わせ数やご依頼受注数などの内容を記録する書類です。ネット広告のコンバージョン率や、問い合わせ後の受注決定率などのデータ管理をするために必要です。
8、名刺(表中No.18)
供養じまい専門の名刺(出張回収時専用お客様用)です。
【名刺の例↓】
9、領収書(表中No.19)
原則現金回収です。市販の領収書でOKです。
【市販の領収書例↓】
以上が実務書類の主なものです。サイト管理人である私も、まったくのゼロから供養じまいビジネスを始めているので、上記の書類のすべてが存在しませんでしたし、見本もありませんでした。いろいろと失敗を繰り返し、必要に迫られて作成してきた書類ばかりです。
これらの書類をひと通り揃えておくと、作業がスムーズに行く他、最低限のリスク回避もできます。特にお客様にサインを頂く承諾書関連などは大切です。
承諾書とは、「一旦仏壇を搬出したら弁済保証返却はできません」と言う書類(ご供養等依頼書)に了解のサインを頂くものです。かつて一度回収した仏壇や位牌をあとで返してほしい、と言われた経験から作成した書類です。
当初は、このような承諾書を作っていなかったため、慌てた経験があります。すでに処分をしてしまったものを返せと言われた場合、どうしようもありませんので。
仏壇や位牌は二度と同じ物を作れません。いざとなってもお金で弁済できないので注意が必要です。
なお、リアル実務講座で提供する必要書類一覧表及び必要制作物一覧表に、「供養じまいビジネス」で実務上必要となる書類や制作物をすべてまとめています。
2、提携先、協力業者、設備の確保
次に、提携先と協力業者の確保についてです。以下の提携先や協力業者を見つけておく必要があります。
1、ご供養を頼める寺院、お坊さん
知り合いのお坊さんまたは、近隣の寺院で、魂抜き供養を依頼できるところを当たってみることです。檀家(だんか)の減少などにより、寺院もお布施不足のところが増えていますので、引き受けてもらえるところが見つかるはずです。(お布施は寺院の収入源です)
【お坊さんと提携します↓】
2、御神札(おふだ)を奉納する神社
神棚の中にある御神札をお納めしたり、祈祷をしてもらえたりする神社を探しておきましょう。
ほとんどの神社には、祈祷所やお札返納所があります。
【神社のお札返納所の例↓】
3、資源リサイクル業者
真鍮製品などの仏具を引取または買取をしてもらえる業者です。リサイクルをしない場合は必要ありません。
4、お焚き上げ焼却設備の設置または業者との提携
回収した供養品を自分でお焚き上げをする場合は、位牌・遺影・仏像・過去帳などを焼却するためのスペースを確保します。大型タイプの家庭用焼却炉を設置できて、焼却時に周囲に迷惑がかからない場所が必要です。
法律上野焼きは禁止されていますが、例外として宗教行事が認められており、その規定を利用できる場合があります。自社でそのような場所かあるいは焼却設備がある場合は問題ありませんが、ない場合は借りるかあるいはお焚きあげ焼却設備を有する業者と提携します。
【焼却設備の例↓】
5、廃棄物処理業者
供養後に最終的に不要となったものを引き取り処分してもらえる業者です。一般には、産業廃棄物収集運搬業者か、産業廃棄物処理業者になります。
3、事務所及び備品類の準備
すでに事業をしていて事務所がある場合はそこを利用すれば問題ありません。これから独立し新規で開業する場合は、供養じまいビジネスでは特に事務所・オフィスは必要ありません。自宅の一室でも十分スタート可能です。できるだけ無駄な費用を抑え、集客に集中するほうが賢明です。以下に事務所関係で準備するものを列記します。
1、オフィス
特に不要です。お客様が来店訪問されるビジネスモデルではありませんので、電話とFAX・パソコン・プリンター等があれば開業可能です(ただし、前述のように仏壇置き場または供養場は必要)。
2、電話関係(FAX・プリンター・コピー機)
電話とFAXは、別番号で取得することをおすすめします。i・ナンバーまた専用フリーダイヤル取得をおすすめします。
さらに、事務所で常時電話を受けられない場合は、電話転送サービスなどを利用して携帯電話や秘書代行サービスなどに転送します。
なお、自宅を事務所にする場合、現実的には「電話・FAX・プリンター・コピー機」が一つになった複合機が便利です。
【複合機の例↓】
3、パソコン環境
パソコンとインターネット環境は必須です。同時にメール送受信環境も必須です。出来れば、スマホやタブレットなどを利用して、いつでもどこでもメール確認及び、問い合わせに対するメール送受信が、即時出来る体制にしておくことが大切です。
問い合わせに対する素早い対応は必須条件だからです。
またホームページ開設にあたり、独自ドメインを取得し、メールアドレスの設定もそのドメイン名でする場合でも、Gmailにまとめて集約されるようにしておけばとても便利です。
やり方はいろいろと専門書籍に詳しく載っています。
4、秘書代行会社(電話受付代行サービス)
必要に応じ利用します。問い合わせを自分の携帯へ転送する場合、電話に出られず受注を逃すリスクが避けられます。
1件の問い合わせを逃すことによって、数万円の受注を逃すことにもなりますので、一日500円そこそこの秘書代行費用などは安いものです。
5、古物商票の掲示
仏具品などをリサイクルする場合は、古物商法に基づき古物商票の掲示が必要です。古物商の許可は警察の管轄になります。したがって、警察の調査が定期的にあるので、事務所入口へ古物商票を掲示します。
【古物商許可証の例】
6、数珠&白手袋
仏壇回収時に必要になります。常に携帯をしておくといかなる状況でも役立ちます。
【数珠と白手袋の例↓】
4、業界関連特殊知識の習得
「供養じまいビジネス」はある意味特殊な新業態ですので、その業界特有の知識をある程度持つことは必要です。専門知識があればあるほどお客様からはプロとして信頼されるからです。
供養に関係する仏教仏事、神教神事などの宗教基礎知識については最低限のルールなどは知っておく必要があります。
インターネットや書籍などですぐに調べることができます。アマゾンなどで検索すれば基本的な知識を習得できる書籍がたくさんあります。
また、サイト管理人が運営しているこの「ご供養じまいお役立ち情報サイト」にはこうした身近な知識について記事をたくさんアップしていますので参考にしてください↓
また、直接お坊さんからレクチャーを受けたり、わからないことを聞いたりして、少しづつインプットしていくのも良いでしょう。とはいえ、お客様から難しい質問をされることはほとんどありませんので、実務上はあまり心配することはありません。
以上、「ご供養じまいビジネス開始のための準備(パート2)の、「実務書類」「提携先、協力業者」「事務所及び備品類」「業界関連特殊知識の習得」の準備についてでした。
次回、第9回目講座は「ご供養じまいビジネスの集客方法」についてです。
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