ご供養じまいアドバイザーの藤井です。前回の講座1では、「ご供養じまいビジネスの概要」について解説しました。今回の、ご供養じまいビジネス開業・起業講座第2回目は、「ご供養じまいビジネスの現状と可能性」について解説します。
【依頼が増えている位牌整理↓】
1、ご供養じまいビジネスの現状
まずご供養じまいビジネスの現状についてです。
私が、高齢社会対策ビジネスの一つとして、「仏壇整理サービス」開始の検討を始めたのが2007年です。
一部の寺院を除けばこのような「仏壇整理」をしてもらえるところは見当たらず、さらに、仏壇の整理・処分を専門サービスとして扱っている業者はありませんでした。
ただ、仏壇販売店ではこのようなサービスを行なっているところもありますが、あくまでも仏壇を買っていただいたお客さんに対し、古い仏壇の処分も致します、という程度でした。
したがって、仏壇を買い換える予定のないお客様は、供養処分だけを仏壇店に頼みづらいと言う現状があります。また寺院は、魂抜き・お性根抜き供養の法要はするが、仏壇の引き取りまでは一般にはしてくれません。
もちろん「檀家さん以外はご供養自体もいたしません」という寺院もたくさんあります。いわゆる一見さんお断り、というやつです。
【お坊さんに供養だけは頼めるが・・・↓】
こうした背景があり、2008年に「仏壇ご供養処分専門サービス」を開始しました。第1回目の講座で説明したように、現在までの約11年間ほどで、毎月の問い合わせ数は約30倍以上にまで増えました。
これは、インターネット検索の普及という部分も大きいですが、その検索数が増えている事自体が、仏壇供養処分ニーズの増加を示す証拠であるとも言えます。
ご依頼されるお客様の事情も様々です。私どもではいちいち事情をお聞きしませんが、多くのお客様は自ら「こういった事情で仏壇を手放したい、処分せざるを得ない状況がある」とおっしゃっていただけます。
何か事情や理由を伝えることによって、仏壇を手放すことに対する良心の呵責のようなものから開放されたい気持ちがあるのかもしれません。
その証拠に、ほとんどの方から聞かれる次のような質問があります。
「ほかの人もたくさん依頼されてますか?」
という内容です。仏壇処分をするのは自分だけではないという確信が必要なのかもしれませんね。
さて、このように仏壇整理をご依頼される方々が増えてくるとともに、最近ではこのサービスに新規参入する業者も増えてきています。
遺品整理業者や片付け業者が、フロントエンドサービスとして本来の遺品整理の受注をするために始めたり、寺院が独自でご供養サービスを行ったり、といった感じです。
実際に、仏壇整理のため引き取りに伺うと、50%以上の確率で遺品整理や不用品の整理処分で困っておられます。その流れで遺品整理を依頼される方も多いのが現状です。仏壇整理を遺品整理のフロントエンドととらえると、とても費用対効果の高い集客方法になります。
さらに、既存の仏壇店も仏壇販売の需要減に伴い、新たに仏壇処分サービスを行うところも出てきています。仏壇処分をするお客様に対し、コンパクトな現代仏壇をお勧めするというビジネスモデルです。
【50%以上のお客様が遺品整理で困っている現状↓】
このように、仏壇・位牌整理処分など10年ほど前にはほとんどなかったサービスが、ニーズの需要拡大及び浸透とともに、取り扱い業者数も徐々に増えつつあるというのが2019年後半現在の状況です。
2、ご供養じまいビジネスの将来可能性
次に今後の可能性についてです。ご供養じまいビジネスの今後については以下のように推測できます。
すでに超高齢社会に突入している我が国ニッポンでは、代々守り続けてきた仏壇の面倒を見ることができない親族や後継者の方々が年々増えてきています。今後はますますその数は増加するであろうと考えられます。
特に最近は、日本人の仏教(宗教)に対する意識が希薄になってきています。日本では宗教、特に仏教は冠婚葬祭の儀式のためのものという意味合い強いです。
例えば、諸外国でのキリスト教やイスラム教のように、日々神を信仰して崇めるみたいなところがあまりありません。また同じ仏教でも、日本と他の国とでは信仰心の度合いがずいぶん違います。
【信仰心の度合いは国によって違う↓】
仏壇を手放すということに対して、ご先祖様に対し申し訳ないという気持ちは強いようですが、仏教に対する信仰心に反しているという意識が少ないのも現実です。
何が何でも仏壇を守り続けることもないと思う理由の一つかもしれません。(もちろんそうでない方々もたくさんおられます)
ニッポン人は普段仏教(宗教)についてあまり深く考えません。身内に不幸があって初めて我が家の仏教宗派を知る方も多いと思います。とはいえ、冠婚葬祭となると、皆さん一様に信心深い人たちにとたんに変わってしまいます。
このような感じですから、いざやむを得ない状況になれば多くの方々は、仏壇を手放すことに対する意識の希薄化が、今後はますます進むと考えられます。
仏壇と同様に、位牌・遺影・仏像・過去帳などの供養処分依頼も増えてきました。これらは、全国対応の送付サービスを始めてから急に増えてきており、真似をする業者や寺院も出てきました。
【位牌や遺影などの供養依頼も多い↓】
また、神棚の処分依頼が増えてきているのも最近の特徴です。どちらかと言えば、仏さんならお慈悲もあるだろうけど、神様の場合はタタリが怖い・・、と感じている人も多いようです。
だれでもそうですが、要するに自分で手を下したくない、けれどもキチンと間違いなく供養してほしい、という気持ちが強いからです。
さらに、お世話のできなくなったお地蔵様や祠(ほこら)の供養と撤去、それらに伴うお坊さんの現地訪問手配などの希望も増えています。高齢化により、お世話をする人がいなくなってきているからです。
【お地蔵様の供養撤去も増えている↓】
こうした傾向と現状の中に、このビジネスの将来ニーズが潜んでいます。徐々にですが、今後「ご供養じまいビジネス」の需要は増加していく可能性が大きいと考えられます。
次回、第3回目講座は、【ご供養じまいビジネスの取り扱いサービス】について、どのようなものがあるか具体的に解説していきます。
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