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孤独死の部屋に残された仏壇や位牌の供養処分の仕方

マンションなどの集合住宅で、孤独死が発見された場合、大家さんやマンションオーナー、管理会社はさまざまな対応をしなければなりません。もちろん親族も同様の対応を迫られます。

警察などへの連絡、腐敗臭やハエの拡散防止など、近隣への緊急対策を済ませたあと、最終的には、室内に残された荷物の整理処分をしていかなければなりません。

その際、室内に仏壇や位牌が残されていることがよくあります。通常の家具類や生活用品であれば、そのままゴミですぐに処分することもできます。ただ、仏壇や位牌などの場合はそのままポイッと捨ててしまうわけにもいきません。

【部屋に残された仏壇の処理はどうする】

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親族が仏壇や位牌を継承し、面倒を見ていく場合は問題ありません。ただ、さまざまな事情により、親族が引き取れないことが多いのが現実です。さらに、孤独死の現場に残された仏壇や位牌は、腐敗臭が染み付いてしまっていることも多いのです。多くの人がこのような仏壇や位牌をどうすればいいのか悩みます。

ただ、心配する必要はありません。仏壇や位牌、あるいは遺影・過去帳・仏具などは、処分する際に「魂・お性根抜き」という仏教上の儀式を行うことが一般的です。この仏事のルールや、「魂・お性根抜き」の依頼方法などを知っていれば、孤独死の部屋に残された仏壇処分の悩みは解決されます。

今回は、これら「孤独死の部屋に残された仏壇や位牌の供養処分方法」について解説します。

仏壇は勝手に処分してもよいか?

一般の相続遺産との違い

孤独死の部屋に残された仏壇や位牌を、親族が継承する場合はあまり問題ありません。ただ、継承できなかったり、継承する者がいなかったりする場合は、注意が必要です。一般の遺品類と、仏壇や位牌は、相続に関して違いがあるからです。

仏壇・仏具・位牌・神棚・神具・遺骨・墓地などは、まとめて「祭祀財産(さいしざいさん)」と呼ばれます。この祭祀財産の相続は、一般的な金品などの遺産とは切り離されて考えられています。

【仏壇や位牌は祭祀財産】

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遺産相続人と祭祀財産承継者は、民法上は別になるのです。法律や遺言によって祭祀承継者として指定されると、仏壇やお墓を引き継いで、その後の祭祀(各種法要や墓参り、供養などの儀式)を行なう義務が生じます。

仏壇処分は誰の承諾が必要?

ただ、祭祀の義務は生じますが、その義務の履行自体が強制されるわけではありません。したがって、仏壇や位牌などについて継承できない場合は、その仏壇や位牌そのものの処分も承継者に任されます。ひらたくいえば、引き継いだ者が勝手に処分しても問題ないということになります。

したがって、大家さんやマンションオーナー・管理会社が、親族に代わって、部屋に残された仏壇の処分をする場合は、法的には祭祀財産承継者の承諾さえあればよいということになります。

多くの場合、遺産相続人と祭祀財産承継者は重複します。たとえば、故人の妻や長男などです。一般には、これらの親族に承諾を得てから仏壇の処分をすれば問題ないことになります。

仏壇の処分の仕方

仏壇から魂・お性根を抜く

仏壇や位牌を処分するには、「魂抜き(たましいぬき)・お性根抜き(おしょうねぬき)」と呼ばれる、仏教状の儀式である法要を済ませてから廃棄します。この法要はお坊さんに依頼することになります。

仏壇は一番初めに、お坊さんによって魂入れ(たましいいれ)や、お性根入れ(おしょうねいれ)または、それと同じ意味合いの読経等の仏教上の儀式を行っています。

仏様やご先祖様の魂(霊)が、この魂入れにより仏壇や位牌に宿ることにより、日々のご供養や感謝の対象になるのです。したがって、仏壇を処分するにあたり、まずは「魂・お性根を抜く」という儀式を行う必要があります。

【仏壇から魂・お性根を抜く】

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注)浄土真宗にはこの魂・お性根抜きという概念がありませんが、代わりに遷座供養(せんざくよう)という読経を行います。

お坊さんに魂・お性根抜きを依頼する

魂・お性根抜きは、お坊さんに依頼します。お坊さんとお付き合いがある場合は、事情を説明し、部屋に残された仏壇の供養を直接依頼します。

ただ、寺院やお坊さんとお付き合いのない方も多いのが現実です。その場合は、「仏壇の供養整理業者」や「ご供養仕舞い専門業者」に依頼するか、「お坊さん手配・紹介サイト」などでお坊さんを探し、魂・お性根抜きを依頼してください。費用の相場(お布施額)は、3万5千円~5万円程度です。

【お坊さんに依頼する】

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部屋までおいでいただくことになるので、ついでに部屋の供養も同時にやってもらうとよいでしょう。お坊さんには、孤独死のあった部屋である旨をキチンと伝えてください。部屋に腐敗臭などが残っていることもあったり、荷物が散乱していることもあったりするので、あらかじめ了承を得ておくことが必要です。

仏壇を廃棄する

魂・お性根抜きの終わった仏壇は、ただのモノになります。お坊さんがそのまま持ち帰って処分して頂ける場合はそれで完了となります。「仏壇整理業者」や「ご供養仕舞い専門業者」に依頼した場合も、そのまま回収して処分してもらえます。

仏壇本体を自分自身で廃棄する場合は、法律上は一般廃棄物(すなわちゴミ扱い)となります。粗大ごみとして出すことになりますが、仏壇を粗大ごみとして引き取ってくれない自治体もあるので、確認が必要です。

【ゴミ置き場】

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実際に仏壇を粗大ごみとして引き取ってもらえるかどうかは、各自治体のゴミ処分担当部署に問い合わせてください。(市町村の環境課とか生活環境課とかの窓口です) ゴミ回収作業員の宗教上の理由等で、回収を拒否される場合もあります。必ず事前に確認してください。

自治体のゴミ回収には、

・定期回収日に、指定のゴミ置き場に回収
・臨時ゴミとして、自宅まで回収
・焼却場へ自分で持ち込み

などの方法がありますので、ご自身で可能な方法を選んでください。

「自分で仏壇を処分できない・やりたくない・頼めるお坊さんが見つからない」という場合は、「仏壇整理専門業者」や「ご供養仕舞い専門業者」に依頼する方法もあります。魂・お性根抜きからお仏壇の回収処分まで一式を行なってもらえます。

【ご供養仕舞い専門業者】

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今回は、「孤独死の部屋に残された仏壇や位牌の供養処分方法」について解説しました。ポイントをまとめると、祭祀財産承継者の承諾を得ること、お坊さんに状況を理解してもらった上で供養を依頼すること、ゴミに出す場合は事前確認が必要、という3つになります。

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