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仏壇の移動・引っ越しをする場合に必要な供養とは?

引っ越しや家の建て替え、部屋のリフォームや片付けなどで、仏壇の移動や運搬をする場合、「どのような法要や供養が必要になるのか?」と言う質問をよく受けます。

「なにか供養をしなければならないのか?」「具体的にどうすればいいのかわからない」という人が多いです。多くの人にとって仏壇の移動は、一生のうちでもあまり経験することのないことだからです。

さらに、檀家離れなどで、寺院やお坊さんとの付き合いもだんだん希薄になってきており、気軽に供養のことについて、相談できる相手も少なくなってきています。

ただ心配することはありません。仏壇の引っ越しや移動をする場合は、以下の2点を知っておけばスムーズに進められます。

ポイント1:どんな供養が必要か?
ポイント2:供養が必要になる「移動パターン」とは?

今回は、「仏壇の移動・引っ越しをする場合に必要な供養」について解説します。

ポイント1:どんな供養が必要か?

仏壇の引っ越しや移動をする場合、どんな供養が必要になるのでしょうか?これを理解するために、仏教の基本的な考え方を知っておきましょう。

仏教の基本的な考え方

仏教のほとんどの宗派では、仏壇に「魂やお性根を入れる」、または、仏壇から「魂やお性根を抜く」という考え方をします。

最初に仏壇を購入した時に行う儀式を、魂入れ(たましいいれ)・お性根入れ(おしょうねいれ)・開眼供養(かいげんくよう)と言います。

そして、仏壇を処分をしたり、移動・引っ越しをしたりする際に行う儀式が、魂抜き(たましいぬき)・お性根抜き(おしょうねぬき)・閉眼供養(へいがんくよう)と呼ばれるものです。

【魂・お性根抜き供養の例↓】

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私たちは、「お仏壇に、仏さまやご先祖様の魂が宿っている」と信じているからこそ、普段手を合わせ、拝んでいます。これは、もともとお仏壇を買った時に、お坊さんにより魂入れを行ってもらっているからなのです。

したがって、仏様やご先祖様が宿られた状態のままで、仏壇を動かしたり処分したりすることは、仏教の考えではタブーとされているのです。

つまり、仏壇を移動する際には、お坊さんにお経を上げてもらい、仏壇に宿ったご先祖様の魂を抜いて供養をしてもらう必要があるのです。

魂・お性根を抜くことによって、仏壇はただの入れ物に戻ります。その後、動かしたり処分したりしてもよいという考え方になります。

ちなみに浄土真宗では、魂・お性根という概念がありません。その代わりに入仏法要(にゅうぶつほうよう)・遷仏法要(せんぶつほうよう)という考え方があり、仏壇の移動の際には、同じように読経の儀式が行われています。

要は、宗旨宗派が違っても、仏壇を移動する際には、お坊さんにお経を上げてもらうことが必要になります。

ポイント2:供養が必要になる「移動パターン」とは?

ひとくちに「仏壇を移動する」と言っても、いろいろなパターンがあります。大きく以下の4つのパターンが考えられます。

1、引っ越し
2、同じ敷地内にある別家屋(離れなど)への移動
3、同じ家屋内での部屋間の移動
4、同じ部屋の中で配置を変える

【仏壇の移動例↓】

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そして、同じ仏壇の移動でも、魂・お性根抜きが必要になる場合と、不要な場合があります。上記4つのパターンをそれぞれ見ていきましょう。

1、引っ越し

引っ越しをする場合は、まず引越し前に魂・お性根を抜く必要があります。魂・お性根抜きをお坊さんにしてもらった後、仏壇を引っ越し先に移動・運搬し、その後再び、魂・お性根を入れてもらいます。

引っ越しの時間帯や段取り、お坊さんの都合などもありますが、魂・お性根抜きと魂・お性根入れを、一日で済ませてしまう場合もあったり、別日で行う場合があったりします。

このように、魂・お性根抜きと、魂・お性根入れは必ずセットになります。仏壇を買い換える場合なども同様です。

2、同じ敷地内にある別の建物(離れなどの家屋)への移動

別の建物・家屋への移動は、同じ敷地内であっても引っ越しと同じように考えます。要は、仏壇を家(建物)から出す場合は、魂・お性根抜きが必要になるということです。

同じ敷地内での移動なので、魂・お性根抜きと魂・お性根入れは、通常一日で済ませることが可能です。お坊さんには、あらかじめその旨を伝えておくとよいでしょう。

同じマンション棟内での、号室間移動や階数移動は、同じく引っ越しと同じ扱いになります。

3、同じ家屋内での部屋間の移動

家の中での部屋間移動は、供養は不要です。たとえば、一戸建ての2階から1階へ移動する、和室から洋室へ移動する、などです。

供養は不要ですが、ご本尊さまや位牌などは、白い布や白い紙で包んで移動するとよいでしょう。目隠しという意味合いがあります。

4、同じ部屋の中で配置を変える

配置換えの場合、供養不要です。仏壇の位置を少しずらす、横へ移動する、向きを変える、などの場合は何もせずそのまま移動してもオッケーです。

移動以外で、仏壇の供養が必要な場合とは?

仏壇を移動するとき以外で、魂抜き・お性根抜きなどの供養が必要な場合を、参考までに以下に列記します。

・仏壇の処分
・位牌の処分
・仏像、掛け軸、遺影(写真類)、過去帳、人形などの処分

【供養が必要なものの例↓】

s処理済~P1090563

また、仏壇以外でお坊さんによる供養が必要になるのは、

・お墓の改葬(建て替えやリフォーム)
・お墓の移転、引っ越し
・お墓の解体処分(墓終いまたは、墓仕舞いといわれるもの)
・墓石本体への戒名追加(この場合は魂入れ)

【合葬墓の例↓】

③合祀納骨墓P1030300縮小版640x480

いずれの場合も、魂抜き・お性根抜きの読経が終われば、仏壇やお墓は自由に動かしたり処分したりすることができます。

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