お地蔵様の撤去処分や魂・お性根抜き供養についての相談が年々増えてきています。その主な理由は大きく、
2、土地の売買などに伴い、お地蔵様を撤去・移動する必要がでてきた
という2点になります。こうした際、実際にお地蔵さまを撤去処分したり、移動したりするにはどうすればいいのか困っている人が多いのが現実です。
さらに、お地蔵様は、地域の人々がみんなで面倒を見ている場合が多いので、撤去にあたって意見の集約が難しいという問題があります。また、勝手に処分すれば「タタリがあるのでは?」と、心配する人も少なくありません。
また、社会の高齢化にともなって、墓じまいや仏壇の整理処分は、比較的知られるようになってきましたが、お地蔵様の仕舞い方については、あまり知られていません。
誰しも、お地蔵様を粗末に扱うにはやはり抵抗があります。そしてきちんと供養して、問題が起きないよう対処したいところです。
【地域のお地蔵様の例↓】
ただ、あまり心配する必要はありません。お地蔵様の供養処分の手順・方法は、
2、撤去・移動・処分をする
の2ステップが基本です。今回は、「お地蔵様の処分方法:魂抜き供養と撤去処分の仕方」について解説します。
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1:お地蔵様とは?
1-1:お地蔵様は仏さまか?神さまか?
お地蔵様は、その土地々々の神様や守り神として、お世話をされている場合が多いと思います。それくらい、各地いろいろなところに、さまざまな種類のお地蔵様が安置されています。
たとえば、峠道、あぜ道、道路の四辻などの野山や道ばた、また、町内会の真ん中や、墓地の入り口・寺院境内、などの野外に見られます。私たちも普通に道を歩いていて、お地蔵様に出会ったら、何気なく手を合わせて拝んでいるのではないでしょうか?
そのため、何となくお地蔵様は「神様」のようなイメージを持っている人も多いのが現実です。ただ、実際にはお地蔵様の本来の姿は仏像です。仏像の中でも、「地蔵菩薩(じぞうぼさつ)」と呼ばれるものにあたります。では、「地蔵菩薩」とはどのような仏像なのでしょうか?
実は、仏像には大きく分けて、種類(ランク)が大きく4段階あります。上から順に、
2、菩薩(ぼさつ)
3、明王(みょうおう)
4、天部(てんぶ)
です。最上位の如来像は、釈迦(しゃか)の姿を基本として作られた、仏像の本家本元です。すでに悟りを開いた者の姿です。
【仏像(如来像)の例↓】
また、菩薩像や明王像は、どちらも悟りを開こうと修行を積んでいる者の姿を表しています。さらに、天部像は、上位3種の如来像、菩薩像、明王像を仏敵から守る守護神の総称です。
如来が師範なら、菩薩がベテラン弟子、明王が新米弟子、天部は見習いやガードマンのようなイメージです。私たちがよく目にするのは、たいていこの4つの仏像のうちのどれかです。
1-2:お地蔵様に手を合わせる理由
お地蔵様は「地蔵菩薩」ですから、この仏像ランクの上から2番目である、「悟りを開こうと修行を積んでいる者の姿」になります。修行の身で、庶民から尊敬されている身分になります。
悟りを開くとは、迷いや苦しみのない「あの世」に行けることです。悟りを開けば、誰でも「あの世」へ行けるという考え方が、仏教のベースにあります。
そのため、多くの人が仏像を崇拝するのです。仏像を崇拝することにより、悟りを開き、迷いや苦しみのない「あの世」に行けるよう願うのです。
仏教が日本に伝わってきた時、仏像という目に見えて分かりやすい崇拝の対象があったことが、日本に仏教が広まった要因の1つとも言われています。もともと、日本に古来よりあった神道には、神の像を作るという習慣がなかったからです。
ただ、昔から日本には仏像のような定形版の神さま像はありませんでしたが、それぞれの土地に道祖神という守り神がありました。道祖神は、自然の石や石像・石碑・岩などで、いわば道ばたにある自然の神様です。この道祖神、つまり自然物が、民間の信仰の対象になっていたのです。
【いろいろなお地蔵様・道祖神の例↓】
そして、日本に仏教が入ってきたことをきっかけに、この道祖神が仏像と結びついて、地蔵菩薩として広く普及していったのです。
さらに、とげ抜き地蔵、子安地蔵、子育て地蔵、身代わり地蔵、しばり地蔵、しばられ地蔵、水子地蔵などに姿を変えることにより、どのような願い事でも気軽に頼める地蔵菩薩として、一般の民衆に認知されていったのです。
2:お地蔵様のご供養処分の仕方
2-1:お地蔵様の魂とは?
このようにお地蔵様は、地蔵菩薩という種類の仏像です。したがって、面倒を見られなくなって処分をしなければならなくなった場合、一般的な仏像を供養処分する方法と同じ手順を踏みます。
お地蔵様などの仏像は、最初に安置・おまつりされる際、「開眼供養(かいげんくよう)」と呼ばれる「魂入れ(たましいいれ)や、お性根入れ(おしょうねいれ)」の儀式を行なっています。すなわち、お地蔵様には、仏さまの魂が宿っていると考えます。
つまり、お地蔵様を処分する際には、仏壇や位牌などと同じように、魂やお性根を抜くことが必要とされています。魂が宿ったままお地蔵様を処分することは、やはり心が痛みます。
今まで手を合わせていた対象ですから、感謝の気持ちを表す意味でも、お地蔵様を処分する際に、魂・お性根を抜くことは、ぜひ済ませておきたい儀式の一つです。
2-1:お地蔵様から魂・お性根を抜く
「魂を抜く」という儀式を、魂抜き(たましいぬき)または、お性根抜き(おしょうねぬき)、もしくは閉眼供養(へいがんくよう)といいます。
魂抜きやお性根抜きは、お坊さんに依頼し読経をしてもらいます。あなたが、お坊さんを直接知っている、または、菩提寺(ぼだいじ)の檀家(だんか)さんである場合は、直接お坊さんに魂抜き・お性根抜き(閉眼供養)をお願いしてください。
【いろいろなお地蔵様の、魂・お性根抜きの例↓】
檀家とは、寺院を寄付とお布施で支える登録会員のような意味合いです。そして、その登録している寺院が菩提寺(ぼだいじ)です。一般に、檀家さん以外に、お坊さんは読経に来てもらえません。つまり、「一見さんお断り」という寺院も多いのです。
檀家離れが進んでいる近年では、寺院やお坊さんとお付き合いのない方も多いです。そうした場合には、「お坊さん手配・紹介サービス」などでお坊さんを探すか、「地蔵じまいの専門業者」に依頼するという選択肢もあります。
お地蔵様を安置してある場所(祠:ほこら)まで、お坊さんに出向いてもらってご供養していただくのがベストです。ただし、そのような事情が許されない状況もあります。なぜなら、お地蔵様は、個人所有や町内会所有の場合、または地主さん所有の場合などいろいろあるからです。
所有者とお世話をしている人々が違うまた、土地の提供者が違う、など事情が複雑な場合もありますので、お坊さんに拝んでもらうところや、処分撤去をするところを見られたくないこともあるからです。
そのような場合でも、「地蔵じまい専門業者」に依頼すれば、先にお地蔵様をまず撤去回収した後、別の供養場にて、誰にも知られずに、お坊さんに魂抜き・お性根抜き(閉眼供養)の儀式を行なってもらう事が可能です。もちろん、お坊さんを手配して現地に来てもらうことも可能です。
地蔵じまいの専門業者はコチラ⇒https://reset-soul.com/useful/jizou/
3:お地蔵様の廃棄の仕方
3-1:お焚きあげできないお地蔵様
一般的に、魂抜き・お性根抜きを済ませた仏像は、「単なるもの・ただの像」になっています。お地蔵様も同様に単なる石像になります。そのため、そのまま廃棄処分したとしても特に問題はありません。
ただ、仏さまの魂が宿っていた仏像ですから、ゴミとして捨ててしまうことはなんとなく心が痛みます。そのため、仏像は一般にはお焚き上げ(おたきあげ)などの焼却処分をします。しかし、お地蔵様はそのほとんどが石製ですので、焼却ができません。したがって、焼却以外の処分方法が必要になります。
3-2:お地蔵様の廃棄処分
通常、石でできたものやコンクリートガラのようなものは、自治体のゴミとしては出せません。そのような場合、産業廃棄物処理業者に依頼することになります。ただし、お地蔵様の姿そのままでは、産業廃棄物処理業者であっても拒否される場合があります。やはり、なんとなく気持ち良いものではないのでしょう。
もし、拒否された場合は、粉砕したりしてお地蔵様の姿を消してしまえば、ただのガラになりますので、受け入れてもらえるようになります。ただ、自分で粉砕するのもけっこう大変で嫌な作業です。
そうした場合でも、「地蔵じまい専門業者」に依頼すると、魂抜き・お性根抜きから、粉砕~最終処分まで一式を行なってもらえます。
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【お地蔵様のご供養状況の例↓】
いずれにしても、一旦廃棄処分をしてしまうと、元のお地蔵様は再現できません。そのため、関係者(お世話をしている町内会の人や土地売買に関わる人、所有者など)と充分な話し合いをして、あとから揉め事が起きないよう、合意の上で進めることが大切です。
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