この記事を読んで得られる3つのこと
②その上で仏壇本体の処分は自分自身で行い安く済ませられる
③以上、きちんとした供養と安価な仏壇処分を両立できる
はじめに:この記事の概要
仏壇処分の基本的な流れ【2ステップ】
ステップ1.仏壇内の供養対象物(ご本尊・位牌など)のご供養をする
①供養の対象物とは?
②供養はどこに頼めばよいか?
③供養後のご本尊様や位牌はどうすればいい?
ステップ2.入れ物である仏壇本体を廃棄処分する
①自治体の回収を利用する
②遺品整理時や不動産売却時に処分依頼する
③仏壇整理(仏壇処分)業者に依頼する
まとめ
はじめに:この記事の概要
令和時代に入って仏壇処分をする人が急増しています。ご両親が亡くなったり施設に入居したりするなどで、先祖代々のお仏壇の面倒を見ることができなくなったという事情の人がほとんどです。ただ、そもそも仏教についてはあまりよくわからず信心もそれほど深くない人が多いのも現実です。
こうした場合、できるだけ自分自身で簡易かつ安価に仏壇整理処分をしたいところです。とはいえ最低限、魂抜きなど仏教作法にのっとったご供養じまいをしておきたいのもまた親族・関係者の本音です。
今回は、そうした方のために、きちんと供養はするけど仏壇の処分自体は自分で行う最も経済的な「セルフ仏壇処分」の方法について解説します。
仏壇処分の基本的な流れ【2ステップ】
一般に自分で仏壇処分をする場合の流れは、以下の2ステップになります。
ステップ2.入れ物である仏壇本体を廃棄処分する
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
ステップ1.仏壇内の供養対象物(ご本尊・位牌など)のご供養をする
①供養の対象物とは?
初めてお仏壇を家に入れたとき、お坊さんに「魂入れ」「お性根入れ」「入仏」などをしてもらっていることが一般的です(覚えている人はほとんどいません)。したがって、仏壇処分をする前にはその逆の「魂抜き」「お性根抜き」「仏様を移す」などの供養を行います。
このような仏壇処分前の仏教儀式は、宗派によってその考え方や呼び名が変わりますが一般的には、
「閉眼(へいがん)供養」
「遷仏(せんぶつ)供養」
などと呼ばれています。
ただ、こうした供養は仏壇本体(入れ物)に対してではなく、仏壇内にまつられている
②ご本尊掛け軸
③位牌
④遺影写真
⑤過去帳
などの供養対象物に対して行うのが基本的な考え方です。
仏壇本体(入れ物)そのものに対して供養すると思っている人も多いですが、実際にはその中にあるこうした対象物に対して魂抜き・お性根抜きなどの供養は行われます。仏壇内の対象物に対して供養すれば仏壇本体はただの入れ物ですので、家具などと同様ご自身で処分することができます。
供養対象物とはそれぞれ具体的に以下の様なものになります。ひとつづつ見ていきましょう。できればご自身の仏壇の中を一度実際に確認してみてください。
①ご本尊仏像
いわゆる仏様です。仏壇内の正面奥にまつられているメインのご本尊様です。木製・金属製・陶器製などがあります。通常は、この仏像が3体1セットになっている場合や、次で説明するご本尊掛け軸と組み合わせて3点で1セットになっている場合が多いです。仏像がなく掛け軸だけで3体セットになっている場合も多いです。
【ご本尊仏像の例①】
【ご本尊仏像の例②(掛け軸とセットの場合)】
②ご本尊掛け軸
仏壇内の正面奥にまつられている、仏様の姿が描かれていたり経典の文字が描かれていたりする掛け軸状のご本尊様です。宗派により書かれている内容が変わります。上記の仏像の代わり(仏像の簡易版)となります。掛け軸だけで3体1セットの場合や、仏像1体+掛け軸2体で1セットの場合、掛け軸1体のみの場合もあります。
【ご本尊掛け軸の例】
③位牌
ご本尊様が仏教徒の共通の信仰対象であるのに対して、位牌は亡くなった方の生前名や戒名・法名などが刻まれた板状のもので、個別に手を合わせて拝む魂が籠っているとされる対象物になります。木の板でできたものや紙に書かれたもの、掛け軸状になっているものなどがあります。通常、仏壇内にまつられています。
木製の位牌には、黒塗りの本位牌や白木の仮位牌、中に数枚の板が納められている観音扉がついた箱状の繰り出し位牌などがあります。
【いろいろな種類の位牌の例】
④遺影写真
亡くなられた方の顔写真を額に入れて仏壇の上の壁や仏壇内、仏壇下にまつられています。本来はお葬式などでの演出で使用されたことがその始まりと言われています。ただ、現在では位牌などと同じように故人の魂が籠ったものとして供養の対象として大切にされています。
【遺影写真の例】
⑤過去帳
ご先祖様の名前や亡くなった日(命日)などが記録された小さなノート上のものです。宗派によっては位牌を作らず、この過去帳を位牌代わりとしていることもあります。仏壇内の引き出しに入っていることが多いです。
【いろいろな過去帳の例】
以上、こうしたものが仏壇処分前に行う供養の本来の対象物になります。では実際に供養はどこへ依頼すればいいのかを見ていきましょう。
②供養はどこに頼めばよいか?
仏壇処分前の供養依頼先は大きく2通りです。
②供養じまい専門業者
それぞれ説明します。
①寺院・お坊さんに依頼する
仏壇処分前の供養依頼先の1つ目です。先祖代々お付き合いのある菩提寺(檀家になっている寺院)がある場合はその寺院のお坊さんに依頼します。依頼後、お坊さんが直接自宅へ訪問、仏壇前にて読経供養してもらえます。
もしお付き合いのある寺院がない場合は、近所の寺院に直接問い合わせてみるか、僧侶紹介サイトなどで探して供養を依頼します。直接寺院に問合せする場合、一見さんお断りのパターンも多いですが、僧侶紹介サイトでは1回ポッキリの供養でも対応可能です。自分の家の宗派が不明な場合は、「仏壇処分前の供養」と言えば対応してもらえます。
【お坊さん訪問による供養例】
お坊さんに直接来てもらうメリットは、目の前で供養をしてもらえて安心できることです。一方デメリットはお布施をいくら渡したら良いか悩むことです。お坊さんに渡す「お布施」の金額ですが宗派や寺院の格式によりかなり幅があります。一概にいくらと言えませんが一般に魂抜き供養の相場は1~5万円程度です。お布施以外に御車料(交通費)が必要な場合もあります。
法外なお布施を要求されることもあるとよく聞きますが、僧侶紹介サイトでは35,000円程度が相場(近場で御車料が含まれる場合)と大体決まっているので安心です。
【お布施を渡している例】
②供養じまい専門業者に依頼する
仏壇処分前の供養依頼先の2つ目は供養じまい専門業者です。魂・お性根抜きの本来の対象物である「ご本尊仏像・ご本尊掛け軸・位牌・遺影写真・過去帳」などを供養じまい専門業者に宅配便などで送付すれば供養をしてもらえます。供養の様子は動画で視聴できたりまた、必要であれば供養証明書の発行などもしてもらえたりします。
送付魂抜き供養の費用(1体ずつ個別に供養)は、
ご供養対象物1体当たり5,000円程度
が相場です。例えば、
ご本尊仏像×1体
位牌×1柱
の場合、合計2点ですので送付ご供養料金の合計は10,000円となります。
なお、1の寺院・お坊さんに依頼する場合であっても、2の供養じまい専門業者に依頼する場合であっても、対象物の供養をすれば仏壇本体は「ただの入れ物」になりますので、法的には家具などと同じように廃棄処分しても問題ありません。廃棄処分の仕方は後ほど具体的に説明します。
供養じまい専門業者はコチラ⇒https://reset-soul.com/ihai/
③供養後のご本尊様や位牌はどうすればいい?
供養が終わった対象物(ご本尊仏像・ご本尊掛け軸・位牌・遺影写真・過去帳)はお焚き上げ焼却を行うことが一般的です。本来魂の込められたものですのでゴミで捨てるには忍びないからです。あなたがご自身で自宅庭などで焼却できれば問題ありませんが、それが無理な場合はどのように仕舞いすればよいのでしょうか?これは供養の依頼先によって変わります。
①供養を寺院・お坊さんに依頼した場合
供養を寺院・お坊さんに依頼した場合は、ご本尊仏像・ご本尊掛け軸・位牌・遺影写真・過去帳などは寺院・お坊さんに引き取ってもらうことができる可能性があります。寺院の事情にもよりますが、定期的にお焚き上げなどを実施している寺院などでは引き取ってもらえます。ただ、すべての寺院が対応しているわけではないのであらかじめ確認が必要です。
②供養を専門業者に依頼した場合
また、供養を専門業者に依頼した場合は、供養後のお焚き上げ焼却までを含んだサービスを行っているため、一旦依頼すればあなたは特に何も行う必要はありません。
供養じまい専門業者はコチラ⇒https://reset-soul.com/ihai/
【供養対象物のお焚き上げ焼却例】
ここまで終われば後は仏壇本体の処分をします。
ステップ2.入れ物である仏壇本体を廃棄処分する
対象物の供養をきちんと行えば仏壇本体は「ただの入れ物」です。したがって、一般の家具などと同じように廃棄処分することが可能です。仏壇本体の処分方法は主に以下の3通りあります。
②遺品整理や不動産売却時に同時依頼する
③仏壇処分業者に依頼する
それぞれ見ていきましょう。
①自治体の回収を利用する(目安0円~2,000円程度)
お住いの市町村の粗大ゴミ・大型ごみ回収制度に申込して引き取ってもらう方法です。多くの自治体では仏壇本体の回収を拒否されることは少ないのが現状です。ただし、「魂抜き・お性根抜きなどの供養は済ませておいてください」という条件をつけている自治体もあります。そういった条件なしに無条件で回収してくれる自治体もあります。それぞれ居住地の役場窓口で確認してください。
費用は自治体により、無料~数千円程度ですのでかなり経済的です。例えば、仏壇の粗大ゴミ回収手数料は
大阪市の場合:1,000円
堺市の場合:800~2,000円
と料金一覧表に明記されています。(2022年4月現在)
私の住んでいる市ではゴミシールを貼れば無料です。近隣の目を気にしないのであればこうした自治体の制度を利用すればとても安価で処分できます。メリットは経済的ということですが、デメリットは指定場所まで仏壇を移動運搬しないといけないことです。ご自身で移動運搬できない人は、移動だけを供養じまい業者や便利屋またはシルバー人材センターなどに依頼する方法もあります。
【粗大ゴミとして出している例】
②遺品整理時や不動産売却時に同時処分依頼する(目安0円~)
供養対象物の魂抜き・お性根抜きなど供養が済んでいれば、遺品整理や不動産売却を依頼する際に一緒に処分してもらうことができます。遺品整理専門業者や不動産会社などに依頼します。この際、自治体と同じく「魂抜き・お性根抜きなどの供養は済ませておいてください」と言われることが多いです。費用は他の家具などと同時依頼なのでほとんどかかりません。
遺品整理や不動産売却をお考えの人は、供養対象物(ご本尊仏像・ご本尊掛け軸・位牌・遺影写真・過去帳)の供養さえ済ませておけば、こうした業者に処分依頼するのが処分費用は一番経済的なところがメリットです。なお、遺品整理や不動産売却をしない人には利用できません。
③仏壇処分業者に依頼する(目安20,000円程度より寸法による)
上記①も②もどちらも利用できない場合は、仏壇整理処分業者に出張引き取りから供養処分まで一式依頼できます。仏壇本体ごと直接出張引き取りしています。業者により回収エリアの確認が必要です。また、小仏壇(高さ60cm程度以内)なら送付供養も可能です。
自分で仏壇本体を処分できない・したくない人は、こうした仏壇処分業者に相談してみるのが良いでしょう。仏壇処分業者に依頼するメリットは、供養から処分まですべてやってもらえて自分では何もしなくてとても楽なところです。デメリットは費用がそれなりにかかることです。費用の目安は、魂抜きなどの供養料金・出張引き取り料・処分料込みで30,000円程度から寸法によって変わります。
大阪の仏壇処分業者はコチラ⇒https://reset-soul.com/lp1/
まとめ
以上、「自分で仏壇処分をする=セルフ仏壇処分」の方法について解説しました。セルフ仏壇処分のメリットは簡易で経済的ということです。メリットを3つにまとめると、
②供養状況が確認出来て安心
③自分で仏壇本体を処分するので経済的
になります。宗教に対する関心が薄れつつある現代においても最低限の作法は守りつつ仏壇の整理処分~供養じまいをしたい人にはお勧めの方法です。
供養じまい専門業者はコチラ⇒https://reset-soul.com/ihai/