はじめに:
前回のコラムでは、人生100年時代やっておきたいことその1として、がん総合検診「PET検査」についての体験を書きました。今回はその2として「大腸内視鏡(大腸カメラ)検査」を受けてきましたので実体験と感想を書きます。
ここ数年、便が細くなってきたり下腹部に違和感を覚えたりしていました。同年代の友人や周りでも大腸がんで亡くなる人が多いため結構不安感がありました。以前の私なら放っておいたかもしれません。ただ、今回は「ゼロで死ね」という本を読んだことがきっかけで、残りの人生お金を使い切ってやりたいことをやってから死ぬために、いましっかりと健康不安を解消しようと今回の一連の検査を受ける気になりました。1冊の本の影響はずいぶんと大きいものです。
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以前のコラム「がん総合検診「PET検査」を受けました」↓
1、大腸内視鏡(大腸カメラ)検査とは?
大腸内視鏡(大腸カメラ)検査とは、胃カメラ検査の入り口別バージョンです。胃カメラ検査が内視鏡(小型カメラ)を口または鼻の穴から入れて胃の中を撮影するのに対し、大腸カメラはお尻の穴からカメラを入れます。胃カメラ・大腸カメラのどちらが苦しいかと言えば、私の場合圧倒的に胃カメラです(麻酔なしの場合)。(逆の人もいます)
私の感覚では麻酔なしで検査を行った場合、胃カメラは大腸カメラの10倍苦しいです。ただし、この苦しさは約10~15分程度の検査中だけの話です。実は大腸カメラのしんどさ(面倒くささ)は検査前にあります。大腸カメラはこの準備がわずらわしいので多くの人が敬遠する傾向にあります。
日本人のがんによる死亡率の高さは大腸がんが1位らしいのですが、その原因はこの検査のわずらわしさにあるとクリニックの先生は言っていました。多くの人が、異常を感じてからあるいはおなかが痛くなってから初めて大腸カメラ検査を受けに来るので、すでにがんが進行し手遅れの場合が多いらしいからです。
また、お尻の穴からカメラを入れる恥ずかしさもあってなかなか予防的に検査をする人は少ないです。どうしても楽な「便潜血(いわゆる検便)」で済ませてしまいます。ただ、「便潜血」検査は30%程度見落としがあるみたいで、やはり正確に診断するには内視鏡が確実とのことでした。
2、大腸内視鏡(大腸カメラ)検査の流れ
大腸カメラ検査の流れは大きく以下の様になります。
②検査前日の準備(食事制限と下剤服用)
③検査当日の受付~事前説明
④検査前準備(下剤服用1.5~2L)
⑤大腸内視鏡(大腸カメラ)検査本番
⑥検査結果の診断
1つずつ私の実体験を説明します。
①申込み(2週間~1か月待ちが多い)
大腸カメラ検査を申込むには次の2通りの方法あります。いずれもネットで検索するか、知人の口コミなどで確認して直接申し込むかあるいは、かかりつけ医の先生などに相談します。
1、人間ドック専門クリニックに直接検査のみを申し込む(約2~3万円)
2、大腸カメラ設備のある近所の医院・病院で診察後に検査を予約する(6~7千円程度)
料金の違いは健康保険が適用されるかされないかの違いみたいです。検査のみを直接申し込む場合は、おなかが痛いなどの異常があって病院に行くわけではなく、あくまでも予防的な検査になるので保険が適用されないようです。
一方、おなかの調子が悪いとか下腹部が痛いとかで診察を受けたうえで、あくまでも医師の判断において検査を受ける場合は保険適用されるみたいです。
いずれにしても、だいたい2週間から1か月程度の待ち時間があります。申し込みを済ませると注意事項や前日の準備についての説明があります。
②検査前日の準備(食事制限と下剤服用)
検査前日は食べてよいものいけないものの制限があります。検査の障害となる消化の悪いものは食べてはいけないのです。例えば、
などです。私の場合、前日のメニューは、
朝食:具なしの食パントーストとバナナ
昼食:うどん+卵
夕食:具なし塩おにぎり、具なし味噌汁
でした。かなり物足りませんが、おかげさまで検査当日は大腸の中に何も残らずスムーズにいきました。
また、夜の10時ころに下剤を2種類飲む必要があります。錠剤を2錠と液体の薬を水に溶いて飲みます。この下剤は、翌日(検査当日)の朝に便が出るようにする薬です。私は翌朝きれいなうんこがスッキリ出ました。
こうして検査前日はかなり気を使いながら食事をすることになります。前日の外食は難しいかもしれませんね。
③検査当日の受付~事前説明
検査当日は8時40分にクリニックに入り受付を済ませました。受付後、個室に案内されます。約2畳ほどの部屋にソファとリクライニングチェアと小さなテーブルがあります。実際の検査予定時刻が14時なので、この部屋で5時間ほど便を出しながら(笑)過ごすことになります。
まもなく看護師さんから以下のような説明を受けます。
②一気に飲んではいけない(ちびちび飲む)
③1時間半くらいかけて5~6杯(1.5リットル程度)飲むとだんだん便に固形物がなくなる
④看護師さんを呼んで便の状態をチェック
⑤オッケーが出たら下剤の服用ストップ
⑥そのまま検査まで待機
⑦待機中も便を出し切る
④検査前準備(下剤服用1.5~2L)
看護師さんに言われた通り、下剤を少しずつ飲みます。一気に飲んでしまいたい欲求を押さえながらちびちび飲みます。その間、スマホを見たり読書をしました。
初めの1時間くらいはまったく便意はありませんでした。ただ下剤を1リットルくらい飲むと急激に便意が襲ってきます。個室の待機室にはトイレもついているのでソファから便座まで1秒でたどり着けます。あまりに急激に便意をもよおしますので便器まで3秒かかると漏らす可能性があります。
実際間に合わず下着を汚す人も結構いるらしいので、替えの下着を持ってくるよう言われます。私もパンツを2枚準備していました。合計で15回くらいトイレに行きましたが私はセーフでした。
さて、下剤をコップ6杯くらい(1.5リットル程度)飲んだら、便がやや黄色い透明の液体になります。少しでも便に固形物のカケラが混じっている間は看護師さんからオッケーが出ませんが、2~3回目くらいのチェックで下剤ストップの許可が出ました。最近の下剤はスポーツドリンクみたいな味がするので約2リットル飲んでもそれほど苦痛ではありませんでした。
下剤をストップしてからはただひたすら検査まで待ちます(約2時間程度)。その間も何回かトイレに行くことになります。最後は全部出し切り大腸の中は空っぽになり、久しぶりにおなかがぺったんこになります。時間になると看護師さんがやってきて検査着に着替え検査室へ移動です。
⑤大腸内視鏡(大腸カメラ)検査本番
いよいよ検査本番です。お尻の穴からカメラを突っ込まれます。ドキドキ。看護師さんがいろいろ話しかけてくれて緊張を和ませてくれるので少し落ち着きました。
検査台の上でひざを曲げて横向きになると、先生がお尻の穴の周辺と入り口あたりに麻酔薬を塗ります。肛門の中にも指を突っ込まれるので思わず「うっ!」と叫んでしまいました。そしてすぐに大腸カメラを挿入です。人間の本能からか、突っ込まれたものは押し出そうとするみたいで、少々力んでしまったりガスを出したくなったりします。
先生は「遠慮なくガス出してくださいね」と優しく言いますが、なかなか遠慮なくは出せません(笑)。若い女性の方は特に恥ずかしいだろうなと思います。大腸検査が敬遠される気持ちもよくわかります。
カメラを挿入しながら先生はモニターで様子を見ながら、常に話しかけてくれたり内部の状況を説明したりしてくれますので安心です。入り口から大腸の一番奥の盲腸や小腸の入り口までカメラが到達する間、大腸の曲がり角で少し痛さはありますが思ったほどではありませんでした。大腸の太さが人によって違うので痛さも人それぞれらしいです。一般に男性は太く女性は細いそうです。
検査は15分ほどで終了です。特に重要な異常はないらしく、詳細はこのあと画像を見せながら詳しく説明しますとのことでした。
⑥検査結果の診断
私服に着替えたら先生の診断を聞きます。小さなポリープが2つあったそうです。画像も見せてもらいました。1つは1mm程度で無視してもよいとのこと。もう1つは3mm程度で「腺腫(せんしゅ)」と呼ばれるものらしいです。この腺腫は将来がんになる可能性があるので観察が必要ということでした。
とはいえ、すぐにどうこうなるものでもなく、仮にがんに発展するとしても3年後か10年後か20年後かわからないし、消えてなくなるかもしれないらしいです。「まあ3年後にまた検査受けにきてください。その時にどうなっているか見てみましょう」という程度のことでした。
昔は大腸検査でポリープが見つかったらほとんどその場で切除したらしいですが、最近は内壁を傷つけたり、それが原因で問題が起こったりするリスクもあり、明らかにがんではない限り切除はしない場合が多いとのことでした。切除すると手術扱いになって病院はけっこう儲かるので、もうけ主義の先生は小さなポリープでもどんどん切除し高級車を乗り回しているらしいです。(ほんとかウソかはわかりませんよ)
何はともあれ大した以上もなくホッとして14時半ころ帰路につきました。朝から何も食べてなかったので腹ペコです。「終わったらごちそうを食べるぞ~」って決めていましたが、駅についてミスドの横を通ったら急にドーナツによだれが…。コーヒーとドーナツ3つが本日のブランチとなりました。
3、大腸カメラ検査を受けたくない人へ
大腸カメラ検査を受けたくない人の理由は主に以下の3点です。
②準備が大変
③時間がかかる(ほぼ1日仕事)
まず理由①の「恥ずかしい」についてです。大腸カメラ検査はお尻の穴からカメラを入れられます。そのかっこうを想像しただけでも恥ずかしいです。すでにこの段階で検査を受ける気にはなりません。特に下腹部が痛かったり異常を感じたりしない限り少なくとも積極的にはなりません。
次に理由②の「準備が大変」があります。前日からの食事制限や当日の大量の下剤服用でとにかく大腸の中を完全に空っぽにしない限り検査をしてもらえません。もちろん当日は絶食です。
最後に理由③の「時間がかかる」です。私の場合、検査当日の朝8時40分に病院に入ってから実際に検査が終わって病院を出たのは14時半頃でした。その間とにかく便を出し個室でじっとするしかできないのでけっこう苦痛です。もちろん読書などはできますが頻繁にトイレに入ったり出たりなのでなかなかゆっくり読めません。仕事の都合で1日休めない場合などは検査を受けること自体ができない人も多いかもしれません。
ただ、それでも検査を受けるメリットは大いにあります。大腸カメラ検査の場合、結果がすぐにわかるということです。何も異常がなければ安心して翌日から活動できます。何か異常が発見されればすぐに対処することができます。検査結果が出るまで日数がかかるのは心理的にしんどいです。すぐに結果がわかるのは大きなメリットだと思います。
人生100年時代にやりたいことを思い切りやり切って死ぬために、まずは今の健康状態を知っておくことを後半人生のスタート地点としたいものです。
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