/
 /

葬儀・葬式は小さな規模&無宗派でやりたい:人生100年時代の歩き方1

はじめに:

今回、仏壇・位牌の供養サービスを愛知県で運営されている成瀬氏が、「葬儀・葬式に関するアンケート」を実施したところ、とても興味深い結果が出ました。

結論から言うと、身内が亡くなったら葬儀・葬式の宗派・宗教にはこだわらず、小さな規模で行いたいと考えている人がかなり多いということです。今回はこのアンケート結果について、人生100年時代の葬儀・葬式の在り方について勝手気ままに書いてみたいと思います。

家族葬ホール

1、葬儀・葬式に関するアンケート結果

今回リセット愛知で行った、身内が亡くなった時の葬儀・葬式についてのアンケート結果は以下の様になります。

調査内容詳細:

・調査内容:身内が亡くなり葬儀を行う場合どんな葬儀にしたいか?
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2020年9月16日~9月20日
・調査対象:20代~60代の男女200名(男性66名、女性134名)

調査結果:

①葬儀を行う時の宗派について(仏式葬儀を前提とした質問です)
どの宗派でも構わない⇒57%
代々の宗派でやりたい⇒40%
その他(他宗教・無宗教)⇒3%
②葬儀・葬式の規模について
家族葬(小規模)⇒55%
一日葬(1日完結)⇒17%
一般葬(2日フルコース)⇒14%
直葬(火葬式のみ)⇒12%
何もしない⇒3%

結論:

全体の傾向として一言でいうなら、

「宗派・宗教にはこだわらず、小さな規模でやりたい」

ということになると思います。私も親族が亡くなったり私自身が亡くなったりしたら、葬儀の宗派は何でもよいし、むしろ無宗教でかつこじんまりやればよいと考えています。親族・親類の関係や世間体・見栄でなかなかそうはいかない場合もあると思いますが、おそらく多くの人の心の中の本音中の本音はそんなところだと思います。

私の周りの友人・知人に聞いても「葬式など最低限でオッケー・お墓も不要・遺骨は海にまいてくれたらいい」という考えの人が多いです。

海洋散骨

ではなぜこうした葬儀の小規模化が望まれるようになってきたのでしょうか?それは過去の大規模な葬儀形態がわずらわしく敬遠されるようになってきたからにほかなりません。

2、過去の葬儀・葬式の典型的な5パターン

パターン①:高額・豪華(お金かかりすぎでしょ!)

過去よく行われてきた葬儀・葬式の形態の代表的なものは、いわゆる「一般葬」と呼ばれる多くの参列者が参加する比較的大規模なものです。一般葬は主に、お通夜から始まり本葬・告別式~初七日~精進落とし(食事)までを2日間かけて行う葬儀のフルコースです。フルコースなので参列者も多く高額で豪華な儀式となります。

私の父親の葬儀もこのフルコースで行いましたので、参列者2~300名程度・費用約300万円でした。当時(2003年)はまだ家族葬があまり普及しておらず一般葬が当たり前でしたので、母親も迷わずこの一般葬を選びました。(選ぶという認識ではなく選択肢が他に示されませんでした)

費用は葬儀代や香典返しなどで総額300万円ほどかかりました。ただ、当時はまだ、現在の主流である香典を辞退するという風潮はありません。したがって、葬儀費用の半分以上は香典で賄えていました。いわゆる皆で助け合うという協同組合・共済的な昔ながらの葬儀の名残です。

こうした一般葬から近年では(2010年くらいから)、アンケート結果にあるように小規模な家族葬がメインとなってきています。まだ若くして亡くなる場合や現役で働いている場合などは、仕事関係の知人や友人などたくさんの参列者がありますので、一般葬で行うのもよいと思います。ただ高齢化社会になって、故人に関係する知人・友人自体の多くが亡くなっていたり音信不通であったりした場合は、参列者がかなり少なくなってきており、大規模に儀式を行う意味がなくなりつつあることも葬儀小規模化の一つの理由です。

もちろん、お金をあまりかけず派手にしたくない・ひっそりしたいという遺族の希望もあります。また、お香典を受け取ることによる香典返しなどのわずらわしさやたくさんの人への対応なども敬遠されることから、簡素化が好まれる風潮です。とにかく、以前の葬式はお金がかかり過ぎです。

お金

パターン②:仏式葬儀(なんで仏教でするの?)

日本では多くの家庭が仏式で葬儀を行います。神式やキリスト教で行う人もいますが、ほとんどがお坊さんにお経をあげてもらう仏教での葬儀をします。これは歴史的に見て江戸時代から始まった言わば国家の強制的檀家制度により、日本国内に広く仏教が普及していることが大きな要因です。

多くの人が自分の家の代々の宗派やその宗派の内容について詳しいこともほとんど知らずに、ただ単に家が○○宗だからという理由だけで葬儀や法事は仏式で行っているのが現状です。将軍徳川家康さんが「庶民はみんな仏教徒になりなさい」「どこかのお寺に所属しなさい」「宗派は変えたらあきません」というお達しを出さなければ、このような檀家制度は現代まで続いていなかったことになります。このお達しは今でいう役所の役目を寺院にさせて庶民を管理するために始まったものとされています。私たちは未だに檀家制度というこの江戸時代の名残を引きずっているわけです。

さて、私は仏壇・位牌の供養じまいという仕事でお客様のところへお邪魔しますが、自分の家の宗派を知らない人が結構多いです。もしくは宗派は知っていてもその教えを詳しく知っている人はほとんどいません。本来なら宗教を信じるということはその宗派の宗旨を理解し信心するからこそ入信するはずですが、日本人は生まれながらに盲目的仏教信者となっている人が大半です。檀家制度の形骸化の象徴です。

このような矛盾した事実に多くの人が気付き始めており、檀家をやめたい、葬儀・葬式は無宗教で行いたいという人も増えてきています。葬儀は必ずしも仏教でしなくてもいいわけですから。

仏式葬儀

パターン③:遺族の見栄張りの象徴

また、過去の葬儀は残された遺族・家族の見栄張りの象徴でもありました。亡くなった故人のためというより、遺族がより豪華な儀式を行うことによって威厳を示したいという欲求が強かったと思います。そうすることが個人に対する供養(名誉を守る?)であると自己満足をしていた部分もあったのでしょう。

より大規模に豪華にすることでお世話になった人たちへの感謝を示したい気持ちもあったと思います。ただ、そうした気持ちを逆手にとって、葬儀社は遺族の経済状況をみながら葬儀金額を適時決めていたという話もよく聞きます。(定価はあってないようなもの、の典型です)

もちろん人間ですからある程度の見栄は誰だってあります。しかし、それが葬儀金額の高額化につながっていた事実は隠せません。私たちは葬儀を「世間体のためから故人への供養のため」という本来の姿に戻していく必要があると思います。実際気持ちがこもっていればどんな形で葬儀を行ってもいいわけです。

豪華な葬儀

パターン④:りっぱなお墓(お墓作るの高過ぎ!)

亡くなった私の父が生前、寺院内墓地にお墓を作った時は1霊地(約1㎡)200万円だったと聞いています。一般土地の2020年の公示地価が、東京都千代田区一番町あたりで約200万円/㎡、また大阪市の平均地価が約96万円/㎡ですから、お墓がいかに高いかがわかります。しかも墓地は一般に土地自体を買うのではなく、借りるための権利料(永代使用料)です。墓じまいなどをする場合は墓地を返さなくてはなりません。200万円で買ったのに売ることはできないのです。アパートを借りるときの返してもらえない礼金みたいなイメージです。

高すぎてお墓を建てられない人もたくさんいます。亡くなり火葬した後の遺骨は通常遺族が引き取ります。みんなそれぞれの家系のお墓に遺骨を埋葬していると思われがちですが、実際は入れるお墓がなく遺骨をそのまま持ち続けている家庭が数百万世帯あると言われています(よく仏壇の中に骨壺ごと保管している人が多いですがそれ自体は違法ではありません)。

歴史的に見てもともと庶民はお墓など持てませんでした。私たち庶民が一般にお墓を持てるようになったのはごく最近のことです。それまでは村の共同墓地に埋葬(土葬)されるのが一般的でした。2000年に入って以降、お墓を持つことに疑問を持つ人も増えてきており、個別のお墓ではなく合同墓(合祀墓)などで十分であるという人も増えてきています。

また、お墓ではなく海や山に散骨を希望する人も増えています。こうした合同墓や海洋散骨・樹木葬などだと3万円程度から遺骨を埋葬することができるので経済的です。これを利用して、墓じまいをした後の遺骨の埋葬をする人も増えてきています。

合同墓1

パターン⑤:法事などの儀式のこと

葬儀を終えた後の各種法事についても、これまではほとんどの家できっちり行われてきました。ただ、こうした法事もだんだんと簡略化・省略化されています。ほとんどの場合、初七日は告別式~火葬の後、すぐその日のうちに行われるのが普通になっています。(本来は7日後)

また、初七日の後から四十九日までの7日ごとの各法要は省略されるのが現在では一般的です。四十九日の法要は行う場合がほとんどですが、その後の百か日や一周忌・三回忌などは行わない家も増えてきました。

こうした背景には、宗教意識の希薄化や寺院・僧侶への帰属意識の低下または、お布施の不透明さや高額化などの経済的問題などが一因かもしれません。さらに親戚づきあいなどがわずらわしいこともあるかもしれません。

私が仏壇の供養じまいで訪問するお客様からも、しばしば寺院やお坊さんへの不満や不信感の声を聞きます。仏壇を処分したいと言ったら「お布施80万円必要」と言われた、檀家を離れたいと言ったら強引に引き留められたり「離檀料100万円」と言われたりした、などです。お坊さんの多くは立派な方ですが、中にはこうした金の亡者的な人もいますので、寺院全体の評価を下げてしまいがちです。

もちろん寺院も持続運営するための費用が必要ですし、お坊さんも食べていかなければならないので、そのためのお布施は檀家さんが面倒を見るべきものです。ただ、あまり行き過ぎたお布施の強要は結局寺院の崩壊につながるのではと感じています。いずれにしても、今後はますます法事の需要は減っていくものと考えられます。

お布施袋各種

3、人生100年時代の葬儀・葬式の形

以下は、私が普段仏壇・位牌の供養じまいを依頼されたお客様と接している実体験から感じる、これからの人生100年時代の私の勝手な葬儀・葬式の形予想です。

1、葬儀はますます小規模化する(身内のみ)または火葬のみとなる
2、檀家離れが進み僧侶は葬儀のみの付き合いとなる(仏式で行う場合)
3、お布施は読経料として定価化・明確化されていく(仏式で行う場合)
3、仏式にこだわらない無宗教葬をする人が増えていく(音楽葬・自由葬など)
4、香典や香典返しなどの慣習はなくなる
5、法事などの儀式は簡略化または省略されていく
6、お墓は合同墓・合祀墓や散骨・樹木葬などが増えていく
7、仏壇は持たないかあるいは超小型化されていく
8、位牌や戒名・法名は多くの人が希望しなくなる

さて、皆さんはどう思われますか?人生100年時代はもう目の前です。現実のものとして対応していきたいものです。

仏壇の供養じまいの仕方はコチラ⇒https://reset-soul.com/useful/butudan-3step
位牌の供養じまいの仕方はコチラ⇒https://reset-soul.com/useful/ihaisyobunhou

位牌や仏壇の供養〜整理処分でお困りではありませんか?

お位牌やお仏壇の面倒を見ることができず、供養整理をする人が増えてきています。お付き合いのある菩提寺があったり、親しいお坊さんが近くにいたりすれば相談もできますが、そういう関係にわずらわしさを感じる人も多いようです。

このような場合、「位牌・遺影・過去帳や仏壇の魂・お性根抜きから整理処分」までを、一式行なってくれる専門業者があります。相談は無料ですので、わからないこと・不安なことを気軽に聞いてみてください。

先祖代々のお位牌やお仏壇ですから、きちんとご供養整理をしたいものです。

公式サイト位牌・遺影・仏壇などの魂・お性根抜き供養~整理処分をするなら

 

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
トップへ戻る