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葬儀以降の法要と供養儀式の一覧:供養は何回忌まですればいい?

時代の変化とともに仏教に対する考え方もずいぶんと変化してきています。特に2000年代に入ってから、寺院・お坊さんと檀家との関係や宗旨・宗派への帰属意識の弱まりなどが顕著になってきています。

それに伴い、寺院の檀家離れも進んできています。お坊さんや寺院とのおつきあいがだんだんとわずらわしくなってきている人が増えてきているのです。原因の一つが、いくら出せばいいかわからないお布施や、永遠に続けなければならない寺院への半強制寄付行為などです。

そして、葬儀が終わったあとの法要・供養についても同じことがいえます。かつてと違いずいぶんと簡略化されてきたとはいえ、やはり定期的な法要・供養の儀式はわずらわしいものです。

【葬儀の後の法要は?】

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そこで今回は、現在一般的に行われている葬儀後の法要や供養の儀式をまとめてみました。そして、実際にはどのような供養をいつまで行えばいいのかについて考えてみたいと思います。

「供養」と「法要」と「法事」の違い

私たちは普段、「供養」「法要」「法事」という言葉をけっこうごちゃまぜにして使っています。同じようなニュアンスなのでお互いに意味が通じればそれでいいのですが、まずは基本的な違いを以下に説明しておきます。

供養とは?

供養とは、一言でいうなら「死者などの霊に対し供物(くもつ)を捧げて、感謝や敬意の気持ちを込めてそれを養う」ということです。父母や先祖、あるいは恩師、そして仏教での三宝(仏、法、僧)などが広く供養の対象になります。供養は毎日いつでもできます。

本来は供養をすること自体が仏道での修行でしたが、現在では供養は仏教的な行事全般を指すようになっています。生前に自分で自分の供養をすることを逆修(ぎゃくしゅ)、亡くなった人に対してする供養を追善(ついぜん)供養といいます。

他によく耳にする供養は、施餓鬼(せがき)供養、開眼(かいげん)供養、水子供養、人形供養などです。衣食などの供物を施して霊をまつり感謝をすることによって、それ自体が修行になるという儀式です。

法要とは?

いっぽう、法要は供養よりも少し狭い意味で使われています。一般に法要とは、故人の冥福を祈るために行われる仏教上の儀式のことをいいます。仏法(仏の教え)の要(かなめ)という意味です。要(かなめ)なので節目節目で行われます。

【お坊さんによる読経】

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具体的には、初七日や四十九日そして、お盆や一回忌・三回忌などです。親族や親しい知人が集まって、お坊さんに読経をあげてもらうことがメインの儀式が法要です。

法事とは?

法事は法要と同じ意味で使う人もいます。細かくいうと、「法要の儀式とその後の食事会などを含んだ行事全体」のことを法事といいます。

【法事とは食事会なども含む行事全体】

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法事という全体行事の中で、法要という仏教儀式(読経など)が行われるというイメージです。例えていうなら、卒業式という全体行事(法事)の中で、卒業証書の授与式(法要)があるみたいなものです。

供養と法要と法事の違いは以上です。概念的なくくりは、供養>法事>法要です。以下ではこの中の最小単位である法要の種類について解説します。

葬儀以後の法要の種類

お通夜、葬儀のあと一般に行われる法要(供養)を以下にまとめてみました。

【法要(供養)の一覧表】

●忌日法要(中陰法要) 初七日 亡くなった日を起点に7日目
四十九日 同49日目
百か日 同100日目
●年忌法要 一回忌(一周忌) 死後1年経過した命日(亡くなった年を起点に2年目)
三回忌 亡くなった年を起点に3年目
七回忌 同7年目
 十七回忌 同17年目
 二十三回忌 同23年目
二十七回忌 同27年目
三十三回忌 同33年目(一般にはここまでで終了=弔い上げ)
五十回忌 同50年目
●定期法要 初盆 忌明け後(四十九日経過後)初めて迎えるお盆の法要
毎年のお盆
お彼岸(親族で個別に行なうもの)  春分・秋分の日を挟んだ前後3日間の計7日間
お彼岸(寺院で合同で行なうもの)
●その他の法要・供養 納骨式 開眼供養(魂・お性根入れ)
お墓の改葬、墓仕舞い 閉眼供養(魂・お性根抜き)
お仏壇の新規購入 開眼供養(魂・お性根入れ)
お仏壇の整理・処分 閉眼供養(魂・お性根抜き)
お位牌の新規作成  開眼供養(魂・お性根入れ)
お位牌処分の供養  閉眼供養(魂・お性根抜き)
仏像供養  閉眼供養(魂・お性根抜き)
人形供養  閉眼供養(魂・お性根抜き)

それぞれの法要について以下で解説します。

忌日法要(中陰法要)

忌日(きにち、きじつ)法要は中陰(ちゅういん)法要とも呼ばれ、亡くなった日を起点に7日ごとに49日目までの7回と、百日目の百か日を指します。

なくなった日を起点に7日目を初七日、14日目を二七日(ふたなのか)、21日目を三七日(みなのか)、その後7日ごとに続き、七七日(なななのか)の四十九日が死者供養の大きな区切りになっています。

これは死者に対し亡くなってから7日ごとに、生きている間に行なった功罪についての判定があり、供養をすることでその罪を軽くするという考え方があるからです。

これは仏教の「中陰」説が起源とされています。中陰とは、死の瞬間(死有=しう)から次の生を得て(生有=しょうう)、転生するまでの宙ぶらりんの状態をいいます。死者の霊魂が新しい転生先が決まらず、この世をさまよっている最長期間が49日という説が日本では広まったのです。

この中陰期間が終わる49日目を「満中陰」と呼ばれています。一般的には、この四十九日までを忌中(きちゅう)または喪中(もちゅう)といい、死者の出た家の親族が忌み慎む期間とされています。

仏教における法要はもともとこの49日間、7日ごとに追善供養をするだけでした。現在では、一般に初七日と四十九日に法要が行われています。そして、本来はこの四十九日で法要は終わりでしたが、日本では儒教の教えが影響しその後の百か日や年忌法要、定期法要が行われるようになったといわれています。

ちなみに納骨はこの四十九日を終えてから行われるのが慣例となっています。また、この時同時に位牌は白木のものから黒塗りの本位牌に変えられます。お坊さんに依頼して「納骨式」「魂・お性根入れ」などの「法要」を行ない、その後親族・知人らと会食をし、故人を偲ぶ全体行事が「法事」となります。

【四十九日は死者供養の一つの区切り:納骨】

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年忌法要

日本では、上記の忌日法要の後も、死者を供養し冥福を祈る行事が伝統的に行われています。そのうち、年忌法要とは、死後1年経過した命日(亡くなった年を起点に2年目)に行なう一回忌(一周忌)から始まります。

以降、亡くなった年を起点に3年目の三回忌、同様に七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌と続きます。一般的にはこの三十三回忌で最後とし「弔い上げ」と呼びますが、地域などによっては五十回忌、百回忌と続ける場合もあります。

定期法要

定期法要とは、毎年または毎月行なう法要のことです。毎年行うものとして、お盆の法要、お彼岸の法要、命日の法要などがあります。そして、毎月行う法要が月参りです。

お盆

お盆は、本来は旧暦7月15日の満月の夜を中心に行われるものでした。盂蘭盆会(うらぼんえ)とも呼ばれます。明治の初めに旧暦(太陰太陽暦)から新暦(太陽暦)へ変わったのに合わせ、旧暦7月15日に近い新暦、つまり現在の8月15日を中心にお盆の法要が行われるようになりました。

【お盆】

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ただ、一部の地域では、もともとの月日を重視し今でも新暦の7月15日を中心に行っているところもあります。これは、夏のお中元を送る時期が、地域によって旧暦を重視するか新暦を重視するかによってバラバラなのと似ています。

ちなみに関東は一般的に7月初旬から7月15日に、また関西では、7月15日~8月15日までにお中元を贈ることが一般的です。お盆の法要を行う時期もこのような地域の風習に左右されていると考えられます。

お彼岸

また、お彼岸は春と秋の2回あり、3月の春分の日・9月の秋分の日を中心にそれぞれ前後3日間、計7日間の期間に行われます。初日を「彼岸の入り」、最終日を「彼岸明け」といいます。寺院では彼岸会(ひがんえ)が営まれ、私たちはお墓参りをして先祖供養をすることが習慣となっています。

その他の法要・供養

忌日法要、年忌法要、定期法要の他にも、臨時で行なう法要があります。たとえば、お墓を作ったりお墓の仕舞いをしたりする場合です。また、高齢社会化に伴い、面倒を見られなくなった仏壇や位牌を整理処分したりする場合も増加してきました。

このような場合、仏教の多くの宗派では、お墓や仏壇に魂・お性根を入れる・抜くという考え方をします。魂・お性根を入れる供養を開眼供養(かいげんくよう)、魂・お性根を抜く供養を閉眼供養(へいがんくよう)といいます。

【閉眼供養】

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お位牌を新しく作ったり、供養処分をしたりする場合もこの開眼供養や閉眼供養をします。また、故人が生前大切にしていたお人形なども同様の供養をする場合があります。人形供養を専門にしている寺院もあります。

法要はいつまで行えばいいのか?

かつては多くの家庭で、これらのほとんどの法要が行なわれていました。葬儀の後、初七日・四十九日から始まり、初盆・一周忌・三回忌・七回忌と続き三十三回忌の弔い上げまで、親族一同が集まり法事を行なっていたのです。

本来はこの三十三回忌まで行なうのが原則です。ただ、超高齢化社会になり法要を主催する側の人間や親族・知人なども同時に高齢となり、なかなか皆が一同に集まらなくなっているのが現実です。

そのため最近では、まず初七日は葬儀・告別式のすぐ後にセットで行われるのが慣例です。そして、一周忌~三回忌くらいまでは親族が集まりきちんと法事を行なう場合がまだまだ多いようですが、その後の法事は家族のみ、あるいは省略される場合も最近は多いようです。

ただ、やはりお盆やお彼岸に家族そろって墓参りに行くことだけは、多くの家庭で続けられているようです。せめて一年に2~3回くらいはご先祖様への報告と供養をしたい、というところでしょう。

【お墓参り】

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なかなか自分たちで法要を続けられない方にとって、永代供養などその後の供養を寺院に任せてしまうパターンも増えてきています。自分自身できちんと法要や先祖供養ができない、と申し訳なく思う気持ちもあるからだと思います。

ただ、従来のような大掛かりな法事ができなくなったからとはいえ、やはり大切なのはやはり故人を思う気持ちであり、ご先祖様に感謝する気持ちです。

今回解説したすべての法要を行うことは現在なかなか難しいと思います。やむを得ずそうした場合であっても、やはり故人とご先祖様に対するこの感謝の気持ちを忘れずに日々過ごしたいものです。

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