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浄土宗の魂入れ・魂抜きの考え方:お墓や仏壇の供養方法とは?

日本国内には浄土宗の寺院が6913寺あります。また、信者数は約602万人となっています。(平成28年版[平成29年2月発表]の「宗教年鑑」による)約20人に一人、11世帯に1世帯の割合で浄土宗は浸透していることになります。

このように、浄土宗は日本では浄土真宗2派に続いて信者数が多くメジャーな宗派です。そして、他の多くの宗派と同様、お墓仕舞いや仏壇整理処分の際に「魂抜き」という儀式を行ないます。「魂を入れる・抜く」という考え方を浄土宗ではしているのです。

今回は、浄土宗の基本的な考え方やしきたりなどを踏まえ、墓仕舞いや仏壇供養整理の際の「浄土宗における魂抜き供養」について説明します。

【浄土宗の総本山 知恩院】

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浄土宗とはどんな宗派か?

仏教の宗派について

現在の日本の仏教には、いろいろな宗派があります。主なものだけでも13宗56派あるといわれています。小さな教団も含めると数え切れないくらいあります。私も一度数えてみましたが、嫌になってやめました。それくらい多いということです。

その中でも私たちに馴染みのある主要7宗といえば、天台宗・真言宗・浄土宗・浄土真宗・臨済宗・曹洞宗・日蓮宗です。天台宗と真言宗は平安時代に、残りの浄土宗や浄土真宗などは鎌倉時代に浸透した宗派です。

平安時代以前の仏教が学問仏教であったのに対し、浄土宗や浄土真宗など鎌倉時代に開かれた宗派は実生活と直結した実践仏教です。実生活に密着した宗派なので広く一般民衆に受け入れられていきます。これはたとえば、薬が基礎研究や臨床段階から、実際に病院で処方されるようになり、広く浸透してきたというイメージです。

これら鎌倉仏教が広く受け入れられた名残として、2016年現在の日本の信者数を見てみると、浄土真宗本願寺派が約792万人、同じく真宗大谷派が約791万人、浄土宗が約602万人とダントツのトップ3の地位を占めています。(平成28年版「宗教年鑑」による)

【主要宗派別の信者数(平成28年版「宗教年鑑」)】

教団(宗派)名 寺院(団体)数 信者数
1 浄土真宗本願寺派 10,196 792万2823
2 真宗大谷派 8,540 791万8939
3 浄土宗 6,913 602万1900
4 高野山真言宗 3,626 383万1300
5 曹洞宗 14,716 351万1798
6 日蓮宗 4,659 348万6041
7 天台宗 3,337 136万3553
8 臨済宗妙心寺派 3,357 36万9893

浄土宗の始まり

さて、このように鎌倉仏教が広く民衆に浸透した最初のきっかけが、法然さん(1133~1212)が開いた浄土宗です。当時(平安中期~鎌倉)は世間に「末法思想」が広まっていました。「末法思想」とはいわゆる「この世も末、おしまい」という破滅的思想です。

たとえば最近なら「ノストラダムスの大予言」みたいなものです。1999年7月に人類が滅亡するというあのうわさです。科学の発達した現代でも、あのような予言に多かれ少なかれ心配になったくらいです。

ましてや当時は、科学的な考え方をする習慣がありません。さらには武士の台頭による戦乱が続き、自然災害や疫病の蔓延などにより、この「末法思想」は人々に恐怖を与えたと推測されます。

そんな時代に法然さんは新しい概念の「浄土宗」を開きます。それまでは一部の上流階級でしか広まっていなかった仏教でした。そこでまず、法然さんはこう言いました。死に対するケガレ意識を持つことや、動物などを食べるために殺生することを必要悪として認める。その上で貧富の関係なく、また仏の教えを知らなくても誰でも浄土(あの世)へ行ける、と説きます。

そのためにはひたすら「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」と念仏を唱えればよい、という教えです。ちなみに、法然の弟子の親鸞さんもこの流れを引き継いで発展させた浄土真宗を開きます。

南無阿弥陀仏の意味

ところで、「南無阿弥陀仏」の「南無(なむ)」とは、「~だけに帰依します、~だけについていきます」というような意味合いです。つまり「南無阿弥陀仏」は「阿弥陀さん、あなただけを信じてついていきます」と唱えていることになります。つまり、念仏を唱えるとは「阿弥陀さんだけを信じているので、どうぞ浄土へ連れて行ってくださいね」ということです。

【阿弥陀如来像の例】

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このように、浄土宗はそれまでの宗派と違い、この世のやむを得ない現実を認めた上で誰でも極楽浄土へ行けると説きました。そうして、上流階級だけでなく当時の新しい身分集団である武士や、また殺生をなりわいとする人たちからも広く支持を得ていったのです。

浄土宗のまとめ

まとめますと、浄土宗とは開祖が法然さんで総本山が京都の知恩院、御本尊が阿弥陀如来で、念仏は「南無阿弥陀仏」です。そして、その教えの特徴は、専修念仏といってただひたすら念仏を唱える努力を旨とし、それだけで救われるという内容になります。

次に、浄土宗の仏壇に対する考え方を解説します。

浄土宗の仏壇に対する考え方

魂という概念

浄土宗では、仏壇を最初に家に入れた時、つまり新しく仏壇を購入した時に、「開眼供養(かいげんくよう)」という魂入れ(たましいいれ)の儀式を行ないます。仏壇内部の正面にお祀(まつ)りしてある阿弥陀さんと、その両脇侍(左右)の善導大師及び法然上人に対し、魂を入れます。魂はお性根(しょうね)や霊(たま、れい)ということもあります。

この時同時に、位牌にも魂を入れます。寺院やお坊さんによっては遺影や過去帳などにも魂入れの儀式を行う場合もあります。このように初めに魂を入れるわけですから、引っ越しや家のリフォームなどで仏壇を移動する場合や、面倒を見られなくなった仏壇の整理処分をする場合には、その前に魂を抜くという儀式があらためて必要になります。

【仏壇に魂を入れる、抜く】

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「魂などほんとにあるのか?」「魂を入れたり抜いたりなど必要ない」という人もいますが、これはあくまでも仏教の基本的な儀式です。セレモニーであり、1つのけじめです。たとえば人生の儀式としての結婚式やお葬式、さらには学校の儀式である入学式や卒業式なども不要だと言ってしまえばそれまでです。

合理的に考えれば、世の中は無駄なことばかりです。しかし、気持ちの整理をつけるという観点から見れば、これらの儀式も必ずしも不要とは言えないと思います。たとえば、仏教を信じていない人にとって見れば無関係かもしれません。ただ、故人が日々供養していたお仏壇の整理処分をする時くらいはこのような儀式をしてあげてもいいのかもしれません。

魂の概念がない宗派

ちなみに、浄土宗をはじめ多くの宗派では「魂入れ・魂抜き」という概念がありますが、浄土真宗にはこの「魂」という概念がありません。そのため、供養や法要は不要であると勘違いされることがあります。

確かに浄土真宗では「魂入れ・魂抜き」という名称の法要は行われません。その代わりに、魂入れは「入仏法要」「お移徙(わたまし)法要」、魂抜きは「遷座(せんざ)法要」「閉扉法要」と呼ばれる儀式をします。

この法要の呼び方は浄土真宗内でもいろいろあります。同じ浄土真宗でも、「浄土真宗本願寺派」と「真宗大谷派」があって、その呼び方や考え方も違います。一般に、浄土真宗はあまりしきたりに厳格ではないと言われています。ただ、仏壇を購入したときや仏壇の面倒を見る人がいなくなって整理処分をする場合には、これらの法要が必要になるということです。

【浄土真宗本願寺派の経本】

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かりに、あなたがまったく仏教を信じていなかったとしても、また逆にある特定の宗派しか信心していなかったとしても、形としての儀式は必要ではないかと思います。

浄土宗で「魂入れ・魂抜き」の法要が必要な場合とは?

なお、仏壇以外にも、お墓に納骨する場合やお墓仕舞いの際にも同じような法要を行ないます。以下に、浄土宗で「魂入れ・魂抜き」の法要が必要な場合を列記してみました。

・お仏壇の供養~整理処分
・お位牌の供養~整理処分
・お仏像(掛軸)、ご遺影(写真)、お人形などの供養~整理処分
・お仏壇の引っ越し
・お仏壇を別の家屋(別棟)へ移動(お部屋間の移動は通常魂抜き不要)
・お墓の改葬(建て替え)
・お墓の移転、引っ越し
・お墓仕舞い~解体処分
・墓石本体への戒名追加

いずれの場合も、魂抜きの読経が終われば、仏壇やお墓は動かしたり処分したりすることができます。実際の「魂入れ・魂抜き」の法要は、お坊さんに依頼して読経を行っていただきます。檀家さんであればお付き合いのある寺院にお願いをすればいいですね。

【お墓でも魂の概念があります】

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お坊さんとのお付き合いがない場合は、「お坊さん手配サービス」などを利用するかまたは、仏壇整理処分業者やお墓仕舞い業者(石材店)などに依頼すると、お坊さんの紹介や魂抜き法要の手配もしてもらえます。

以上、浄土宗の魂入れ・魂抜き供養方法について解説しました。このようなしきたりや作法も大切ですが、やはり供養の基本は「ご先祖様への感謝の気持ち」ではないでしょうか?この感謝の気持ちを忘れずにいれば、あまりルールにこだわりすぎなくても良いのではないかと思います。

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