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位牌は「燃えるゴミ」として廃棄処分してもよいか?

位牌の面倒を見られなくなったり、継承できなくなったりする人が増えています。こうした場合、位牌はそのまま燃えるゴミとして処理してもよいかどうか迷う人もいます。

実際、法律上は燃えるゴミとして処理すること自体に問題はありません。つまり法律違反ではないということです。ただ、現実問題として位牌をゴミとして捨てる人はまずいないでしょう。

なぜなら、日本人の宗教観やマナーという観点から考えた場合、別の方法を選択することが望ましいからです。

今回は、そうした観点から「位牌は「燃えるゴミ」として廃棄処分してもよいか?」について解説します。

そもそも位牌とは何か?

位牌とは?

位牌とは、通常は仏壇内に安置してある、戒名などが刻まれてある黒い縦長の板状の木の札です。サイズは、高さが10cm~25 cmくらいがよくある大きさです。紙製のものもあります。

【本位牌】

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位牌は、「家の継承と家の継続への思い」を表現したもので、先祖の霊魂を祀る(まつる)ものです。

位牌には、「故人や先祖の魂・霊が宿っている」と言う考えのもと、日々ご供養をすることにより、感謝の気持ちを故人や先祖に伝え、敬う対象物となっています。

要するに、位牌はご先祖様そのものと言ってもよいでしょう。

位牌の種類

位牌は大きく次の2種類に別れます。

1、黒い位牌「本位牌」
2、白い位牌「白木の位牌」

白木の位牌は、親族が亡くなった際、急造で作る仮の位牌です。葬式やその後の仏事で使用します。

一方黒い位牌は、葬儀後から四十九日までが終わったあと、本格的に作る「本位牌」、つまり正式な位牌ということになります。黒だけでなく、茶色の位牌も時々見かけます。

したがって、仮位牌である白木の位牌は、四十九日後に本位牌に作り変えます。そして、もとの白木の位牌は処分します。

【白木位牌と本位牌】

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黒い本位牌にはさらに形状別に大きく以下の2種類があります。

1、一枚物の板状の位牌
2、繰り出し位牌

繰り出し位牌は、薄い木の札が何枚も中に納められている箱型のものです。この中の木の札には、それぞれ1枚ずつ先祖や故人の名前が記されています。

【繰り出し位牌】

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法律上の位牌処分のルール

廃棄物処理法とは?

宗教上のことはまったく無視して、位牌を燃えるゴミとして捨てることは可能です。これは廃棄物処理法という法律の範囲内で行えば問題のないことだからです。

法律上、ゴミは大きく「一般廃棄物」と「産業廃棄物」に別れます。

一般廃棄物…家庭など通常生活から出るゴミで、管轄は市区町村
産業廃棄物…工場など産業活動に伴って出るゴミで、管轄は都道府県

一般廃棄物は、市区町村ごとにそれぞれ「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」「粗大ごみ」「再利用資源ごみ」などの区分ルールが独自に決められており、そのルールに沿って回収されます。

宗教観を考えない場合、位牌は物理的には木の板ですから「燃えるゴミ」です。また、仏壇は物理的には家具と同じように「粗大ごみ」扱いとなります。

自治体は位牌をゴミとして回収してくれるのか?

しかし、単なる燃えるゴミや粗大ごみだからといって、位牌や仏壇を必ずしも自治体が回収してくれるとは限りません。

宗教に関するゴミは自治体が独自に規制していることもあります。理由の一つとして、ゴミ回収をする人の宗教観があります。ゴミ回収の作業員が信心深い仏教信奉者であれば、位牌や仏壇を回収処分することを拒否する可能性があります。

こうしたことから、位牌や仏壇は回収しない自治体もありますので、担当窓口に事前に問い合わせをするとよいでしょう。

極端な話、位牌はゴミ袋の中に紛れ込ませればわかりませんが、やはり仏壇は目立つのでそういうわけにもいきませんので。

【自治体のゴミ回収集積場】

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位牌を燃えるゴミに出す前にすることは?

位牌から魂を抜く

仮に位牌を燃えるゴミに出すとした場合、仏教上の最低限のルールとしてやっておきたいことがあります。それは、「位牌から魂を抜く」という供養儀式です。

位牌は通常、最初に作った時に、お坊さんによって魂入れの儀式が行われています。これにより位牌には、「故人や先祖の魂・霊が宿っている」状態になります。

あなたが「宗教も仏教もまったく信心していない」のであればこのような供養儀式は必要ないかも知れません。なにもせずゴミに出しても法律違反ではありません。

ただ、ご先祖様の霊が宿ったまま処分することはあまり気持ちの良いことではありません。

先祖代々受け継がれてきた位牌です。たとえあなたが仏教を信心していなくても、魂抜き供養により心の整理をすることは一つの大切なけじめになると思います。

【位牌魂抜き供養の様子】

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位牌の魂抜き供養をする方法

お坊さんに依頼する3つの方法

位牌の魂抜きの儀式はお坊さんに行ってもらいます。お坊さんに依頼する方法は次の3つパターンがあります。

1、檀家になっているお寺へ依頼する
2、ネットの「僧侶手配サービス」へ申し込む
3、位牌整理の専門業者に依頼する

3つの方法をそれぞれ見ていきましょう。

記事中位牌リンクバナー

1、檀家になっているお寺へ依頼する

最も正式な方法です。お坊さんに家に来てもらい、直接位牌の前で魂抜きの供養儀式をしていただきます。

あなたが檀家さんの場合は、その旦那寺(だんなじ)のお坊さんに直接依頼します。檀家さんでない場合でも、知人の紹介や近所の寺院を自ら探すなどして依頼できる場合もあります。(※檀家とは、その寺院(旦那寺)の登録会員のようなイメージです)

メリットは安心感、デメリットは供養準備やお坊さんへの対応がわずらわしいということです。さらに、「お布施をいくら渡したらいいかわからない」という悩みも発生します。

一般に、お坊さんへお渡しする魂抜き供養のお布施相場は、1儀式あたり1~5万です。「御車料」「御膳料」などは別途発生します。

【お坊さんへお布施を渡す】

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2、ネットの「僧侶手配サービス」へ申し込む

頼める寺院やお坊さんが近くにない場合は、インターネットの僧侶手配サービスなどで探して依頼します。

最大のメリットはお布施額が定額で決まっているという安心感です。ただデメリットして、どんなお坊さんが来るかわからないという不安はあります。

ネットの「僧侶手配サービス」での魂抜き供養のお布施相場は、1儀式あたり3.5~4.5万円程度です。

3、位牌整理の専門業者に依頼する

多くの位牌整理の専門業者は、お坊さんの手配サービスも行っています。希望すれば、お坊さんの手配をしてもらえます。

また、位牌を送付するだけで、魂抜き供養からお焚き上げ処分まで一式やってもらえますので、あなた自身が処分する必要もなく、一番手軽かも知れません。費用は1万円~です。

まとめ

以上、「位牌は「燃えるゴミ」として廃棄処分してもよいか?」について解説しました。

あなたやあなたの親族が、宗教や仏教をまったく信心していないのであれば、そのままゴミとして出すことは法律上問題ありません。

ただ、多少なりとも心に引っかかるものがあるなら、それなりの供養を行ったほうがけじめをつけられると思います。

厳格な仏教の作法や伝統などを重視する場合は、もちろんきちんと供養することが大切です。

いずれにしても、これら供養儀式の原点は「ご先祖様や故人に対する感謝の気持ち」です。この感謝の気持ちさえ忘れなければ、あまり作法やルールにこだわりすぎなくても良いのではと思います。

なお、位牌を処分するにあたっては、家族・親族間でトラブルが起こらないよう、十分話し合うことをおすすめします。

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