面倒を見られなくなったり、お世話のできなくなったりした位牌の供養整理や仕舞い処分をしなければならなくなった場合、どうすればいいかわからない、また誰に相談したらいいのかわからない人も多いです。
かつてのように、どこの家でも近くの寺院の檀家ではなくなっていることが一つの大きな要因です。
今回は位牌を整理仕舞いする際の3つの依頼先のうち、もっとも簡単な「宅配便で位牌を送付供養する方法」について詳しく解説します。
1、位牌供養処分の3つの依頼先
位牌を整理仕舞いするには、魂抜き・お性根抜きの供養をしてからその後にお焚き上げ処分をするのが一般的な流れです。これらを実際に行うには、大きく次の3つの相談先や依頼先があります。
依頼先2:仏壇処分業者に仏壇と同時に引き取りしてもらう
依頼先3:供養じまい専門業者に宅配便で送付する
以上3つのやり方にはそれぞれメリット・デメリットがあります。
依頼先1:寺院・お坊さんに預ける
あなたがどこかの寺院の檀家さんであれば、直接その寺院つまり、檀那寺(だんなでら)や菩提寺(ぼだいじ)のお坊さんに相談するのが早いでしょう。ほとんどの寺院では、永代供養をはじめ、位牌の各種仕舞い方を提案してもらえるはずです。
ただ、寺院側に渡すお布施金額で悩んだり、お坊さんとのお付き合いに気を使ったりするというデメリットもあります。それでも一番安心できる供養依頼先でしょう。
【お坊さんにお布施を渡している例↓】
檀家を離れたい人・寺院と縁を切りたい人・寺院とのお付き合いがわずらわしい人や、檀那寺のお坊さんに信頼感が持てない場合は、以下の依頼先2・3の専門業者に依頼する方法があります。
依頼先2:仏壇処分業者に仏壇と同時に引き取りしてもらう
多くの場合、仏壇と同時に位牌を整理仕舞い~処分する人がほとんどです。様々な理由で仏壇の処分をしなければならなくなった時、いっしょに位牌・遺影写真・過去帳・仏像などを供養処分するからです。
このように仏壇と位牌を同時に処分するのが一番合理的かもしれません。位牌だけを別途整理仕舞いする面倒を考えれば、仏壇処分業者に仏壇と同時に位牌も引き取りしてもらうことも選択肢のひとつです。
【仏壇処分業者の例↓】
依頼先3:供養じまい業者に宅配便で送付する
もちろん、位牌だけを単独で供養整理する場合もあります。もともと仏壇がない、仏壇は別途処分する、位牌だけが手元に残っている、というような場合です。
また同時に、お付き合いのある寺院がなかったり、お坊さんから高額なお布施を請求されるのが不安であったり、という人も多いです。そうした理由で上記1・2の依頼先に頼めない場合は、「供養じまい業者に宅配便で送付する」という選択肢があります。
この方法は、位牌・遺影写真・過去帳・仏像・掛け軸などを送付することによって、魂・お性根抜き供養からお焚き上げ処分まで一式を行ってもらえるやり方です。そのメリット・デメリットは以下の様になります。
・経済的である
・お布施金額で悩む必要がない
・お坊さんとのお付き合いが不要
・送付するだけなので手軽
・供養の様子を動画や写真で確認できる
・本当に供養してもらえるか不安
・直接目の前でお坊さんに供養してもらえない
・位牌を送付することに抵抗がある
・送付するのが面倒
などです。
ただ、供養状況は動画や写真また、供養証明書などで確認することができるので、どうしてもお坊さんに来て供養してほしい人以外にとっては便利です。
【供養証明書の例↓】
以下では、この「供養じまい業者に宅配便で送付する」方法について詳しく解説します。
2、位牌を宅配便送付する流れ
面倒を見られなくなった位牌などを供養じまい業者に宅配便送付する流れは、次のようになります。
1:供養じまい業者に申し込む
2:申込書を印刷・記入する
3:位牌などを白い布か白い紙で包む
4:段ボールなどで梱包する
5:送り状(伝票)に必要事項を記入する
6:送付する
7:業者から「供養日のお知らせ」を受ける
8:供養日に魂・お性根抜きが実施される
9:完了報告書・供養証明書が送付されてくる
10:供養の様子を動画で確認する
流れを詳しく見ていきます。
流れ1:供養じまい業者に申し込む
面倒を見られなくなったりお世話ができなくなったりした「位牌・遺影写真・過去帳・ご本尊仏像や掛け軸」などを、送付して魂・お性根抜き供養とお焚き上げ処分をしてくれる「供養じまい専門業者」をネット検索などで探します。(「位牌 供養じまい」などで検索)
きちんと供養をしてくれることが確認できる専門業者を選んで申し込みます。一般的には、電話やホームページのメールフォームから依頼することができます。
流れ2:申込書を印刷・記入する
電話で申し込みをした場合、位牌などを送付する際に宅配便に同封する申込書をホームページからダウンロード・プリントアウト(印刷)します。
印刷した申込書に必要事項(氏名・住所・電話番号・送付供養品の種類や数量など)を記入し、位牌等送付の際に同封します。ホームページのメールフォームから申込した場合は、こうした紙の申込書は不要な場合が多いです。
【申込書の例↓】
3:位牌などを白い布か白い紙で包む
「位牌・遺影写真・過去帳・ご本尊仏像や掛け軸」などの供養品を送る際は、白い布や紙で供養品を目隠しのため包みます。位牌などには魂・お性根が宿るとされています。本来は魂が入ったまま移動することは好ましくありません。そのため、輸送中に目隠しをすることにより移動していることを隠すために行います。
【位牌を白布で包んでいる例①↓】
【位牌を白布で包んでいる例②↓】
4:段ボールなどで梱包する
送付するために供養品を梱包します。供養品の大きさや数量・種類などにより、梱包する材料は適したものを選びます。適したサイズの段ボール箱、宅配便袋、封筒、レターパックなどどのようなものでもオッケーです。
【ダンボール箱の例↓】
【宅配便袋の例↓】
【封筒の例↓】
【レターパックの例↓】
5:送り状(伝票)に必要事項を記入する
宅配便の送り状(伝票)に必要事項を記入します。宅配便業者によっては位牌などの送付を拒否しているところもあります。そのため、宅配便の送り状(伝票)の品名欄には「仏具」や「家具」と書いておけば問題ありません。郵便局のゆうパックであればほとんどのものは送付できます。
業者によっては配達日時を指定しているところもありますので、確認が必要です。
【ゆうパック送り状の例】
6:送付する
位牌や遺影写真など小物類であれば何点かあってもせいぜいミカン箱程度のダンボール箱で対応できますから、直接宅配業者やコンビニなどの取り次ぎ店へ持ち込みできます。
仏壇本体を送付する場合で自分では持てない・持ち込めないときは引き取りに来てもらいましょう。
7:業者から「供養日のお知らせ」を受ける
多くの専門業者では送付した宅配便を受け取ったら、「受け取り連絡」や「次回供養日のお知らせ」がメールや郵便で送ってもらえます。同時に供養日の供養状況を後日動画で視聴できるURLなども知らせてくれますので安心です。
【受け取り連絡書の例↓】
8:供養日に魂・お性根抜きが実施される
供養日に位牌や遺影写真などご供養対象品の、お坊さんによる魂・お性根抜き供養(閉眼供養)が行われます。
供養中の写真などは申込すれば撮影をしてもらえます。また、動画撮影もされますので後日視聴することが可能です。魂・お性根抜き供養が終われば不定期にお焚き上げ焼却が行われます。
【お坊さんによる魂抜き供養の例↓】
9:完了報告書・供養証明書が送付されてくる
お坊さんによる魂・お性根抜き供養(閉眼供養)が行われた証明として、希望者には完了報告書・供養証明書が送付されてきます。供養日や供養品の種類・寺院名・お坊さん名などが明記され、親類などに証拠として見せることが可能です。
【供養証明書の例↓】
10:供養の様子を動画で確認する
供養中の全体を撮影した動画を見ることができます。供養後に1週間以内に編集アップされますので、無料で視聴できます。
【供養動画の例↓】
まとめ
以上、宅配便で送付する「位牌供養」の方法について解説しました。あなたがどこかの寺院の檀家さんであれば、相談するお坊さんもいるのであまり悩むことはありません。
ただ、寺院やお坊さんとお付き合いがなかったり、位牌や遺影が手元に残っておりどうしたらいいかわからなかったりする場合などは、お布施金額に迷うことなくきちんと供養~整理ができることが、位牌の送付供養の最大のメリットです。また、檀家を離れたい人にも向いています。
最終的には、あなた自身が心の整理をつけたうえで、家族・親類の合意を得たうえで位牌などの仕舞い方についてもっとも納得のいく方法を選択すればよいでしょう。
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