お地蔵様のお世話ができなくなり、撤去処分するケースが増えています。長年面倒を見てこられた町内会の有志の方々の高齢化や、地蔵様が設置されている場所の土地不動産売買によるものがよくある理由です。
【お地蔵様が祀られたほこらの例↓】
このように、お地蔵様を撤去処分したり移設したりする際は、お坊さんに依頼して魂抜き・お性根抜きと呼ばれる閉眼供養をするのが一般的です。
ただ、この「魂」という考え方のない仏教宗派もあり、引き受けてくれない寺院・お坊さんもいるので留意が必要です。
今回は、「お地蔵様を撤去・処分する場合のお坊さんへの依頼方法」について解説します。
お地蔵様とは?
お地蔵様にはいろいろな種類・タイプがありますが、一般に「地蔵菩薩(じぞうぼさつ)」と呼ばれるように、基本的には仏像の一種です。
【六地蔵菩薩像の例↓】
仏像には「如来(にょらい)」「菩薩(ぼさつ)」「明王(みょうおう)」「天部(てんぶ)」の4つの種類があり、地蔵様は上から2番目の菩薩です。
1番目の如来像は、釈迦の姿を基本として作られた、仏像の本家本元です。
【釈迦如来像の例↓】
また、菩薩像や明王像は、どちらも悟りを開こうと修行を積んでいる者の姿を表しています。
さらに、天部像は、如来像、菩薩像、明王像を仏敵から守る守護神の総称です。
このように地蔵様は菩薩像なので、修行中の身分ということになります。その修行中の尊い姿に手を合わせることにより、我々は日々感謝し安全や幸せを祈願しています。
お地蔵様の撤去前供養とは?
さて、地蔵様は仏像の一種なので、移動したり撤去したりする際には、魂抜き・お性根抜きと呼ばれる閉眼供養を行うのが一般的です。
閉眼供養とは仏教の儀式の一つです。お地蔵様が最初にできたときに「魂入れ・お性根入れ」を行っていることが通常ですので、その魂やお性根を抜いて単なる石像に戻します。
単なる石像に戻れば、移動したり廃棄処分したりすることができます。
この閉眼供養はお坊さんに直接きてもらって、お地蔵様の前でお経をあげてもらうのが一般的です。供養時間は概ね15~20分程度です。
【お地蔵様の魂抜き供養の例↓】
ただ、同じ仏教でも「魂」「お性根」の概念がない宗派もあります。浄土真宗にはこの概念がないので、お地蔵様の「魂抜き」を依頼しても通常は断られることが多いです。
一方、浄土宗などでは〇〇地蔵尊と呼ばれる寺院もあるくらいですので、お地蔵様の閉眼供養は引き受けてもらえます。
この点に留意して、お坊さんに供養を依頼しましょう。
お坊さんへの依頼方法
お地蔵様の閉眼供養をお坊さんに依頼するには次の3通りの方法があります。
B:お坊さん手配・紹介サービスを利用する
C:お地蔵様じまいの業者へ依頼する
A:直接、寺院やお坊さんへ依頼する
あなたがどこかの寺院の檀家になっているなら、その檀那(だんな)寺へ直接依頼しましょう。普段からお付き合いのあるお坊さんですので、もっとも安心です。
ただ、お布施金額については直接聞いてみるのが良いかもしれません。一般的に魂抜きのお布施金額相場は1~5万円程度の範囲ですが、寺院やお坊さんによってかなり差があります。
【お布施の例↓】
数十万円請求された、という話も少なからず聞きますので、事前に確認しておいたほうが無難です。
B:お坊さん手配・紹介サービスを利用する
もしあなたが檀家でもなくまた、知っているお坊さんもいないという場合でしたら、インターネットで「お坊さんの手配・紹介サービス」を利用することができます。
このサービスは、一見さんでも供養・法要を依頼することができ、なおかつその後の煩わしい寺院・お坊さんとのお付き合いも不要です。
どんなお坊さんが来るかわからない、という不安はありますが、お布施料・お車料・その他が明確に一律(3.5~4.5万円程度)に決まっており、心付けなども不要なので金額で悩むことはありせん。
1回ポッキリだけの供養ならとても便利なサービスです。法要の種類や宗派指定ができる場合は、必ず「お地蔵さまの魂抜き」と指定しましょう。
C:お地蔵様じまいの業者へ依頼する
また、お地蔵様じまいの専門業者に依頼すれば、お坊さんの手配からお地蔵様の撤去・移動・処分まですべて一式行ってもらえます。
【撤去された地蔵例↓】
上記A・Bの方法では、お坊さんに供養を依頼したあと、自分自身で別途、その後のお地蔵様の移動や処分をする必要があります。
しかし、専門業者へ依頼すればこれら一式をやってもらえるので便利です。また、お布施代・地蔵撤去代等の費用も明確に決まっているので安心です。
大阪でお地蔵様じまいの専門業者サイトはこちら⇒https://reset-soul.com/useful/jizou/
まとめ
以上、「お地蔵様を撤去・処分する場合のお坊さんへの依頼方法」について解説しました。
なお、お地蔵さまを撤去するにあたっては、事前に関係者へ同意を得ておくことが大切です。
地蔵様の持ち主や設置場所の地主さんはもちろんですが、日頃からお地蔵様のお世話をしてくださってきた近隣住民の方々の理解と了承は大切です。
のちのちトラブルに発展することもありますので、関係者全員の同意を得ておくことをおすすめします。