社会の高齢化にともない、「面倒を見られなくなった仏壇・位牌のご供養処分」と同時に、「神棚やお札の整理・処分」をする人が増えてきています。ただ、多くの人は「神棚の整理・処分」について、費用がいくらくらいかかるのか、よく分かりません。
【神棚の例↓】
実際に神棚を処分する際には、大きく分けて、「1:祈祷する」「2:お札を返納する」「3:お焚き上げする」という3つの方法があり、それぞれ費用の相場が変わってきます。どの方法で神棚を処分するかにより、無料でできるものから、数万円程度の費用がかかるものまであります。
今回は、神棚を処分する3つの方法の、それぞれの費用相場について解説します。
1:神棚処分の3つの方法
神棚を処分する方法についての詳細は、以前の記事(神棚を処分する3つの方法)で解説しました。概略は以下のようになります。
神道には、仏教やキリスト教など他の宗教のように、神の定めた戒律がなく、「個人個人の良心により、地域の神々に感謝し恵みを受ける宗教」になります。つまり、「決まった戒律に従うのではなく、自分の良心で地域の神々と共存する道を歩む」ことが神道の本質です。
したがって、神棚を処分する方法にも、共通のルールがありません。実際に、複数の神社で「神棚の処分の仕方」について聞くと、
2:お札を返納する
3:お焚き上げする
という3つの神棚処分方法があり、費用もバラバラでした。それぞれの方法でかかる費用を見ていきましょう。
【いろいろな神社を回って費用を聞いて来ました↓】
1-1:その1:神社で祈祷をしてもらう場合の費用相場
神棚を処分するにあたり、「祈祷をせずにそのまま捨ててはいけません」と、答えが帰ってきた神社では、「神棚には神様の魂が宿っている」と考えています。
もしあなたが「神棚には魂が宿っている」と考えているなら、このような神社でご祈祷してもらうことをおすすめします。流れは、まず祈祷受付所で「神棚処分の祈祷」の申し込みをし、費用の支払いをします。
申し込み後、祈祷殿や祈祷所と呼ばれる別棟へ案内され、祈祷に立ち会うこともできます。立ち会わずに、祈祷~処分まで一式を任せてしまうこともできる神社もあります。
【祈祷受付所の例↓】
ご祈祷料の費用相場は、概ね3,000~12,000円程度です。神棚の大きさや、祈祷に立ち会うかどうかなどの条件により変わってきます。
神社によって、ご祈祷料の金額を明示してある場合と、「お気持ちでいくらでも結構ですので納めてください」と言われる場合があります。あらかじめ問い合わせて確認してください。
こうした祈祷をしてもらう方法は、あなたにとっても精神的に一番すっきりするのではないかと思います。次に、祈祷をせずに神棚を処分する場合の費用について、解説します。
1-2:その2:お札を神社へ返納する場合の費用相場
神棚を処分するにあたり「祈祷は不要」と答えた神社もあります。こうした神社では、「神棚の中にあるお札を、神社のお札返納所へ返納してから、神棚本体(お社)をお焚き上げしてくだい」と言われます。
神棚の中にはお札が入っています。そして、神社には大抵の場合、「お札返納所」「古札納所」「納札所」などがありますので、そこへお札を返納します。
【お札返納所の例↓】
お札を返納後、神棚本体(お社)はお焚き上げするのがよいでしょう。お焚きあげとは焼却のことです。いくつかの神社やお寺では、年末年始や節分など年に数回お焚きあげをしていますので、自ら神棚を持ち込んでお焚きあげをしてもらうこともできます。
この場合の費用はかかりません。ゼロ円です。ただ、一部の神社では、お札を納める場合に、気持ちとしていくらかの金額をお願いしているところもあります。しかし、通常お札を返納したり、お焚きあげをしたりするのに、料金がかかることはありません。
次に、祈祷もお札返納も何もせず、そのままお焚きあげする場合の費用相場です。
1-3:その3:お焚き上げする場合の費用相場
「何もせずそのまま廃棄してもよい」と言われる神社もあります。
「神棚は、そのままごみとして処分していただいて結構です。中のお飾り(鏡、お狐さま、神具)もそのまま捨てていただいて問題はありません。もし気になるようでしたら、お札を近所の神社に返納されて、社は廃棄処分か、お焚き上げしてください」という内容です。
また、ある地域の小さな神社の神主さんは、「神棚そのものに神様の魂が宿っている」という考えはされていませんでした。したがって、「特にご祈祷などは必要ない」ということです。
ただ、「お焚き上げはしてください」とアドバイスいただきました。その神主さんによると、お焚き上げそのものがご供養になるということです。
【神棚のお焚き上げの例↓】
このように、「そのまま廃棄してもよい」という神社もありますし、「お焚き上げだけはしてください」という神社もあります。
いずれの場合も、費用はほとんどかかりません。市町村のゴミ回収では有料回収のところもあるので、その場合は規定料金がかかりますが、数千円でしょう。
2:専門業者に依頼する場合の費用相場
以上、「祈祷する」「お札を返納する」「お焚き上げする」という3つの方法の、それぞれの費用相場について解説しました。どの方法を選ぶかは自分の考え次第、つまり一番心理的にスッキリする方法に決めれば良いと思います。
さらに、「自分で神棚を処分したくない」「神棚を神社へ持っていけない」という人は、「供養じまい専門業者」へ送付依頼する方法もあります。供養じまい専門業者に送付すれば、「お札返納」や「お焚き上げ」を代行して整理処分してもらえます。
供養じまい専門業者へ送付依頼する場合の費用相場は、神棚1社あたり、10,000円程度(寸法50cm角以内)です。
全国送付対応の供養じまい業者はコチラ⇒https://reset-soul.com/ihai/
いずれにしても、神道とは「神から教えを請うのではなく、自分自身の良心で神々と共存する道を歩む」ことが基本です。そのため、最終的には自らの良心で判断し選択することが大切です。
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