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遺品整理で、遺骨(骨壷)が出てきたらどうすればよいか?:簡単な納骨方法について

日本は超高齢社会が訪れ、2000年ころを境に遺品整理をする人が増え続けています。そうした中、遺品の整理中に思いがけず遺骨(骨壷)が見つかる場合があります。それもまったく知らないあるいは縁の薄い先祖や、会ったことのない祖父母の遺骨であった場合は、どうしていいものか、残された親族にとって悩みのタネとなります。

もともとお墓がある場合はそれほど問題ではありません。たとえ会ったことも聞いたこともない先祖の遺骨であっても、代々のお墓に納骨してあげればいいからです。

ただ、お墓がない場合は、そのためだけにわざわざお墓を新規に建立するわけにもいきません。自分の両親やお世話になった祖父母・親族ならお墓を建てることも考えます。しかし、縁の薄い知らない先祖のためになかなかそこまでする余裕はありません。

【仏壇内に遺骨(骨壷)が残されている場合】

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そこで、このような場合に便利な方法が合祀納骨という方法です。新たにお墓を建てずとも、この方法によって、安価に合法的に、縁の薄い・知らない先祖の供養もきちんと行える納骨を済ませることができます。

今回は、「遺品整理で、遺骨(骨壷)が出てきたらどうすればよいか?」というテーマで、特に「知らない先祖の遺骨が出てきた場合の、簡単な納骨方法」について解説します。

遺骨は勝手に処分できない

遺骨処理に関する法律

個別にお墓を建てるにはそれなりの費用がかかります。墓地永代使用料・墓石代・工事費・管理料などを合わせて、全国平均で約200万円というのが相場です。

遺品整理で、遺骨が出てきたとしても、「はい、じゃあすぐにお墓を建てましょう」と、簡単に決められるほど安価なものではありません。

【高価な墓石】

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とはいえ、遺骨をゴミで捨てたり、勝手に自分の庭に埋めたりすることはできません。日本の法律では、遺骨は「墓地以外の場所に埋葬してはならない」と、決められているからです。遺品整理の際に遺骨が見つかったのは、おそらく先代や先々代から、お墓にも入れられず処分することもできない事情があったため、家に保管してあったのでしょう。

遺骨はどう処理すればよいか?

では、このような場合、遺骨はどうすればいいのでしょうか?もちろんあなたが、そのまま自宅で保管し続けても違法ではありません。遺骨は、法律で許可を受けた墓地以外のところに埋蔵することができませんが、お墓がないからと言ってそれだけで違反に問われることはありません。つまり、一番費用がかからないのは、自分で保管し続けることです。

ただ、なかなかそういうわけにも行きませんでしょうから、何らかの処理(納骨等)をしなくてはなりません。そこで、墓地を持っていない人や墓地を建てない人で、このような事情の遺骨を処理するには、大きく3つの方法があります。

遺品整理で出てきた遺骨の3つの処理方法

では、遺品整理の際に見つかった、縁の薄い・直接知らない先祖の遺骨の処理には、実際にどのような方法があるのでしょうか?あくまでも、「直接知らない先祖だが、できるだけ簡単に費用をかけずかつ、合法的にちゃんと納骨して供養をしたい」という人の場合です。

こうした場合、自分でお墓を建てる以外に、次の3つの方法があります。

1、合祀墓(ごうしぼ)に納骨する
2、納骨堂に納骨する
3、散骨や、樹木葬で納骨する

それぞれ見ていきましょう。

1、合祀墓(ごうしぼ)に納骨する

合祀墓は、自分でお墓を個別に建てなくても、遺骨を埋蔵できる方法です。合同墓とも呼ばれます。いわゆる「永代供養墓」と呼ばれるものの内の1つです。

「永代供養墓」とは、継承するものがいなくても、代わりに管理者が永続的に管理や供養をしてくれる墓の形態です。合祀墓を利用すれば、自分で個別に墓を立てる必要がありません。一般のお墓が一戸建てなら、合祀墓は共同生活をしている、会社や学校の寮のようなイメージです。

【合同墓・合祀墓の例】

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最近では、遺骨をゆうパックで送る「送骨」によって、合同墓に納骨したあと永代供養をしてもらえる霊園もあります。

合祀墓のメリット・デメリット

合祀墓のメリットは、経済的負担が小さいことです。個人的にお墓を建てる必要がないので、費用は数万円程度です。また、雑草処理などの墓廻りのメンテナンスが不要です。

遺骨をゆうパックで霊園に送ることのできる「送骨永代供養」ですと、納骨料3万円程度で年間管理料も不要な霊園もあります。

デメリットは、他人と一緒に埋蔵されているので、お参り自体はできますが、個別の墓にお参りができないことです。また、永代供養料や年間管理料などが必要なところもあるので、申込時に確認が必要です。

【墓参り】

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2、納骨堂に納骨する

2つ目は、納骨堂に遺骨を納める方法です。これは法律上、「埋蔵」ではなく、「収蔵」といいます。つまり、遺骨を墓に「埋蔵」せず、納骨堂に「収蔵」するのです。ひらたくいうなら「預かり保管してもらう」ということになります。

納骨堂も、「永代供養墓」の1つで、遺骨を安置する施設です。もともとは、お墓を建てるまでの遺骨の一時預かり施設でしたが、現在では、おもに都市部における代替墓の役割を果しています。一時施設ではなく、恒久施設の位置づけです。

一般のお墓が一戸建てなら、納骨堂はマンションのようなイメージです。遺骨の納め方などによって、大きく5タイプに別れます。ロッカー式、棚式、仏壇式、墓石式、自動搬送式などです。

【マンションイメージの納骨堂】

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納骨堂のメリット・デメリット

納骨堂のメリットは、一つ目の合祀墓と同じく、墓石を購入するよりも安く承継者なしでも購入できることです。また、雑草処理などのメンテナンスも不要です。さらに、最終的に契約期間が過ぎたあと、遺骨を取り出し合祀墓に合葬してもらえるところが多いです。

費用は、遺骨の納め方タイプにより、数万円~数十万円です。平均10万円程度が多いようです。都市部では、お参りを簡単にしたい人向けに人気です。

合理的なデメリットはあまりないですが、あえて挙げるなら、お墓参りの風情がないところかもしれません。経済的には、個別にお参りできることから、合祀墓より若干高めです。

3、散骨や、樹木葬で納骨する

3つ目は、散骨や樹木葬で納骨する方法です。散骨とは、海洋散骨に代表されるように遺骨を海に撒く方法です。ただし、遺骨をそのまま海に撒くと、刑法第190条「遺骨遺棄罪」に触れるという見方があるので、注意が必要です。

【遺骨はそのまま海に撒けない】

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また、樹木葬とは、墓石の代わりに草木・樹木を墓標とする墓地の納骨する方法です。最終的には土に還っていく仕組みですが、骨壷をそのまま埋めるところもあります。

散骨や、樹木葬のメリット・デメリット

散骨や、樹木葬のメリットは、環境にやさしく自然に還るイメージがあるので、従来のお墓の概念を嫌う人には、受け入れられやすいスタイルです。

【自然に還るイメージの樹木葬】

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費用は、散骨の場合、専門業者に依頼すると5~30万円程度、樹木葬で4万円~15万円程度と手頃感があります。

デメリットは、散骨の場合、「葬送の一環として節度を持って行われるのなら違反ではない」という法務省や厚生省の見解のもと、非常に曖昧でグレーな点です。また、遺骨がどこにあるのかわからないので、お墓参りができません。

樹木葬の場合は、法律で認められた墓地で行う場合は問題ありません。ただ、「陸地での散骨」という形式で、許可を受けた墓地以外の場所で遺灰を埋める場合は、法律的にはグレーとなります。海洋散骨と同じく曖昧な方法になるので、注意が必要です。

結局、どの納骨方法がよいか?

では、遺品整理の際に見つかった、縁の薄いあるいは知らない先祖の遺骨を、経済的かつ合法的に問題なく納骨するのに最適な方法は、どの方法でしょうか?

▶まず、経済的に最も安価に済ませたい場合は、
1、そのまま遺骨を自分で保管する(0円)
2、合祀墓へ送骨納骨をする(3万円より、平均5~6万円程度)

▶また、個別にお墓参りをしたい場合は、
1、納骨堂に納める(5万円より、平均10万円程度)

となります。実際には、見つかった遺骨が、あなたにとってどの程度の関係であったかにもよります。ただ、今回のように、縁の薄いあるいはまったく知らない関係である場合は、合祀墓へ送骨納骨する方法が一番経済的かつ、合法的で永代供養もできる安心な納骨方法となります。

【遺骨をゆうパックで送骨】

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注意するポイントは、一旦合祀墓へ納骨すると他人の遺骨と区別がつかなくなるため、あとで取り出したり、分骨したりすることができません。したがって、のちのちトラブルが起きないよう、家族や親族など関係者と充分な話し合いをして、みなさん了承の上で進めることが大切です。

納骨サイト引き取り手のない遺骨の送骨納骨(3万円)

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